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初めてのお願いは、一緒いることだった。 ――一緒にいたい。あなたと一緒にいたい。 空の上で綺麗に煌めく星のように。私はいつだって輝き続けていたかったの。 星の煌めきは、人の煌めき。人の願いや悲しみもすべて、まとめて、私はあなたを見ていたかった。 気づけば、そばにいてくれたあなた。 いつだって、私を助けるように、救ってくれるように。 触れ合った私とあなたの関係は、いつだって“お友達” でもね、それじゃ我慢できないの。 私は煌めく星のように、あの双子星のポルックスやカストルだって目じゃないぐらいに二人の間を埋めたい。双子よりももっと近く、もっと近く、もっと近く…… “お友達”という終わりの先には。 “あなたの最愛になりたい”という始まりがあるから。 終わりは始まりの唄として、今、あなたに告げたいんだもの。 ――迷いなく、あなたを好きですと。 ――――――――――――――― ……息遣いですら、分かった。 そっと、息をするだけでも、相手に伝わるような距離。顔と顔がほんのわずかな距離を挟んで存在して。 ユーノが座っているイスの上に強引に押し込むようになのはが倒れた。 息遣いだけじゃない、まるで心臓の音すらも聞こえてきそうな距離。ゼロ距離。 ユーノの上に倒れこんで、ユーノに酔っているかのように見つめる彼女…… とても、神秘的に見えた。とても、妖美にすら見えた。まるで、この世のすべてを見てしまったように…… 彼女……高町なのはの憐憫な表情は、ユーノに甘い誘惑をかけているようだった。 「……“なのは”」 「……“ユーノ”」 名前をただ呼び合うだけ。でも、なんだか新鮮味が感じた。 ユーノにとっては、いつもとは少し違うように。なのはにとっては、純粋に名前を読んで。 声がまるで、二人の視線を結びつけるように、二人は見つめあった。 視線は一度重なると離れない。離れたくない。 音一つなく、そこには無音の中に、ただ相手の呼吸、相手の生きている音が響いていて。 それにすら、まるで魅了されるようで。生への魅了。 自分の意識がすべて、相手に集中する。 なのは以外の、ユーノ以外の、すべてが分からなくなる。 それ以外をすべて放棄したくなる。君以外、あなた以外、自分には何一つ見えていない。それが分かるからもっと強く求めたくなる。 まるで麻薬の連鎖。 なのはは、ユーノは、僕の、私のたった一つの麻薬のように。 「……大好き、ユーノ」 「僕も、大好きだよ、なのは」 ――なんで、こんなことになったんだろう? ユーノの、強く甘くて……きっと心地よい幻想の中にあった今にも消えかかっていた冷静な自分がそれを問いかけていた。そう、それは…… 数時間前にさかのぼる。 ――――――――――
数時間前、ユーノは自室のベッドの中で寝ていた。時間はほとんど、夜だった。 本来なら、無限書庫の司書長として、無限書庫アーキビストとして、無限書庫に行くべき時間であるにも関わらずここで寝ているのにも理由があった。
31日の朝、起きたとき、とても体がだるかった。回りもぼやけて見えた。 あまりのことに、一瞬何が起きているか、ユーノ本人も分からなかった。
「……39.4。どうみても、熱ですね、ユーノ?」
いつまでたっても無限書庫に来なかったユーノを心配してきてくれたソニカは、呆れた様子で体温計をユーノから引き抜き見ると、そう告げた。 ここ数年、いや無限書庫に入ってからほとんど初めての、しかも最も酷い、風邪だった。
40度近くもあるじゃないですか、とソニカに呆れられたユーノは、数日休むように言われてしまった。司書の見本になるべきユーノがこれでは示しがつかない。ユーノも渋々それに了承してお休みにしてもらった。
水枕など、一通りの形だけ用意すると『後で、また来るか誰かこっちに回しますから、それまでちゃんと寝ていてくださいよ?』とソニカはユーノに告げるとユーノの自室を後にした。 ユーノの仕事も彼女にやってもらうと思うと、ユーノは自責の念に苛まれた。もともと、自分の体調管理が悪かったのだから。 それでも、なってしまったことを呪うわけにもいかず、ユーノはゆっくりとベッドで休む以外の意味はなかった。 いくら魔法が発達した現代でも、風邪への有効な対処魔法、特効薬は生み出されていないのだ。
ソニカが帰ってすぐに深い眠りに入ったユーノが起きたのはもう日も落ちるような夜だった。 疲れが溜まっていたのかもしれない。 各種薬を飲んだためか、ある程度ダルさも熱も収まっていた。
今、熱はどれくらいかな、とベッドの横にあった体温計を脇に挟んで測定する。薬を飲んで寝たとは、それでもまだだるい。ベッドに寝る姿勢のままで測る……と。
「36.9……ほとんど、治ったかな……」
でもベッドに体重をすべて預ける。まだ残るダルさもそうだったが、何よりやるせなさが自分に降りかかっていた。 仕事もそうだけど、なによりも……
「なのはに悪いこと、しちゃったなぁ……」
無限書庫に彼女はもう向かってしまった後だろう。そこで自分がいないことを聞いてどれだけ落胆するか。 ……ユーノにとって、誰を選ぶか、なんていわれてもすでに決まっていたようなものだった。
――自分にとって、最初から最も大切な人は、彼女なんだから。
ベッドの上においてあるデフォルトされたブタの時計がチクチクと音を刻む。一人で寝ていれば、音などそれぐらいしか存在しない。もともと、物を置く趣味はユーノにはほとんどない。 この時計ぐらいだ。ユーノが自分で買ったのも。あまり、趣味がよいとは思えないかもしれないけど。
高町なのは、という言葉を聞いただけでもユーノは思わず反応してしまうのだ。
「……でも、この体調じゃ……どうしようもないし……」
期待させておいて、結局お弁当も、なのはの好意も無駄にさせてしまった。 そう思うだけで、ユーノは自己嫌悪の海に浸かってしまう。自分のミス、だとは言い切れないかもしれない。 でも、ユーノにすればすべて自分の不注意だったから。
いつだって、そうだ。とユーノは過去を振り返る。 ユーノが休暇が偶々取れて、なのはと一緒に出掛けることが決まれば、なのはに急な仕事が入る。 なのはが何とかユーノにあわせてお休みを取ろうとすれば、ユーノに急な書類の要求や整理仕事が入る。 それで、何度もなのはの残念そうに謝る様子や、逆になのはが寂しそうにまたの機会だね、というところを見た。それが今日も、だなんて考えただけでユーノは気持ちが重くなっていった。 ――あの日、もし本当の気持ちを言えていれば。 ――あの時に無理してでも、休みを取って入れさえすれば。 叶うはずもない“IF”を並べたところで意味はない。 過去の事情について考えてしまえば、未来だって、いつの間にかその前から消えてしまう……そんな気がユーノはしていたから。でも、それでも、不安と思いの矛先はいつも定まらない。 “何かがあったかのような 堂々巡りの空回り” なのはの世界にあった本の一節を思い出して。そのままだなぁ……とユーノはベッドから少しだけ腰を起こした。 一緒に出掛けたこともあったかもしれない。一緒に食事をしたこともあったかもしれない。 二人だけで休暇を楽しんだことも皆無じゃない。 でも、そこに『何かがあった』ことなどない。いつもと、今までと変わらない関係。 その間隔。 結局、十年間という時間が作り出したことなど、ほとんどない。ユーノとなのはの関係は、むしろ9歳のときよりも小さく、結びつきが薄れてしまったかもしれないと思う、ほど。 ため息が再び。 何か、何かと考え込んでみても、何も思いつくものなどはなくて。 ただ、暗い自室の電気をつけようと思って、ベッドから、立とうとしたときだった。 音がした。ユーノの、この部屋の隣の部屋で。 ソニカさんかな、とユーノは思い当たった。そういえば、後で戻ってくると言っていたから。 だったら、仕事の方はひと段落したのかもしれない。無限書庫で仕事を円滑に回せるのは、ユーノかソニカしかいない。二人がいなければ、無限書庫は事実上、その動きを止めることになる。 もし、仕事が終わっていないなら、書庫のほかの誰かのはず。どっちにしても、心配してくれることにどこか嬉しさと同時に、寂しさを感じていた。 まだ、少しばかりだるい体に鞭を打つようにベッドからユーノが立ちだす。 隣の、ダイニングへと続くドアへ足を進め、ドアノブに手を掛けて……開ける。 「だれ、です……かぁ……?……えっ……?」 ドアの先。 ダイニングのキッチン。 そこには、見知った人が一人、料理を、していた。 でも、彼女はソニカでも、なければ。 無限書庫の職員ですらもない。それ以前に今日の、今年最後の日に、ここにいるような人ですらない、はずだった。 セミフォーマルな私服の蒼いカクテルドレスの上に桃色のエプロンを纏っている彼女は、なんだかギャップがありすぎて。 あったけど、でも。 ユーノは、思わず見とれてしまった。 彼女を……高町なのは、を。 ―――――――――― なのはにとって、それは予定外も想定外に、幾つもの予想違いを重ねてもなお、まだ言葉に余る事態だった。 お昼に無限書庫にお弁当を持っていったら、そこにはユーノはいなく、変わりに司書長代行をしていたソニカに出会ったのだ。 「どうやら司書長が無理していたらしくて、まあ私が代行をしてます。なのはちゃん」 「そ、そうなんですか、ソニカさん。はぁ……」 ため息をつかない以外の道はまったくなかった。 今年最後の日、という大晦日の雰囲気は午前中、なのはをとっても上機嫌にさせていたのだから。 彼に会える、ユーノ君に会える。そんな気持ちだけで、嬉しかったのに。嬉しかったはずなのに。 思いっきり落胆しないほか、何が出来るというのだ。声に出してため息を出してしまう。 仕方ない、とは分かっていても。 「……私にため息をかけられても、困るんですけど」 「ご、ごめんなさい。ソニカさん。でも、やっぱりユーノ君がいないって聞いちゃうと……」 「本当に、なのはちゃんはユーノ司書長のことが好きなんですね」 「えっ……?」 一瞬、何を言われたのか、なのは本人ですら分からなかった。 ――好き?だれのことが? ――ユーノ君を、私が……? ――私は、ユーノ君に恋……!? 言葉の意味がゆっくりと理解できるにつれて、なのはの表情が困惑から頬を染めて恥ずかしさへと変わっていく。ここまで、よくもまあ綺麗に変わると、逆にソニカの方も困り顔だった。 「そ、そ、そ……そんなこと、な、ないですよ!」 「違うの?今の表情を見たら余計に信じられないですけど。 それに、今までもずっとユーノに会いに来ている時に上機嫌以外のバリエーションを見たことが私はないけどなぁ。ここの古参で、ユーノ司書長が司書になったころからずっといるけど、なのはちゃんはいつもユーノに会いにきたときは笑顔だったから」 「そ、それは単に、そのユーノ君に会いたくて…… って、その、そう言う意味じゃなくて」 「それに、アコース査察官にお聞きしましたけど、ホテル・アグスタにユーノが鑑定に行ったときにもばったり会って、そのときは頬まで染めていたそうじゃないですか」 うっ……と、なのはも言葉に詰まった。 否定することも出来るかもしれない。でも、同時に否定することはそうであることをない、と言い切ること。 ない、と否定することが怖かったから。 それに、頬を確かに染めてしまったことは紛れもない事実だった。 久しぶりのユーノとの対面で、思わず恥ずかしさが出てしまった。仕事中だったのに、仕事のことも忘れてしまいそうなほどに。 それも、お友達だと、言えばそれで済む。だけど…… 「うぅぅぅ……」 「まあ、否定なさるのはご勝手ですけどね。 誰かが好きだったということ。そうだった。そんな気持ちは、今の気持ちだったとしても。 それ自体には何の意味もない。何もなかったと同じですからね」 「なにもなかった、ですか」 「気持ちは、そこにあるだけでは無形で、しかも何も自ら起こすことはないもの。違います? 思いを、気持ちを形にしようという考えが、何かを変える。それをしないことは、何も変わらない。気持ちだけで何かが変わることなど、ありえないんです」 「それは」 その通りだ、となのはは思えた。 そっと、今ここで自分の手をかざしてみても、そこには手しかない。言葉には無限の可能性があるかもしれない。 だけど、言葉だけかざしても、可能性は可能性のまま。 穏やかな日常の中で風化し、消失する。 「私は……」 「まあ、私は恋とか愛とか知りませんけどね。ただ、自分の思いすら曖昧なのに、相手の気持ちなんて殆ど霧のようなものですよ。で、なのはちゃんはどうなんです。ユーノのことは?」 包容力のあるようなふんわりとした声で、なのははソニカに聞かれて。 ――どうなんだろう? 自分にとっても、その思いは曖昧で。確かに大好きだけど、それがそういう意味なのかは分からない。 微笑んでくれるユーノ君。いつだって、私のことを心配してくれて、思ってくれて……だから、私も自分の本当の気持ちを話せる。それは、すべてを理解した上で、私のことを尊重してくれるから。話を聞いて率直な意見を言ってくれて、そして。助けてくれるから。 「……どうなんでしょう?」 「私に聞かれても困っちゃうんですが、なのはちゃん」 「でも、確かに私はユーノ君のこと大好きで大好きで……でも、これって恋なのかな?」 大好きで、大好き。本当に、心から好き。 一緒にいたくない、なんて一瞬たりとも思ったことはない。なのはにとって、ユーノはそういう人だったから。 好きという思いのベクトルが恋なのかが、ただ分からないだけ。 男の子のお友達、という枠にはなのはの中でユーノ以外の存在がいないから。 区別など、出来ない。 区別は差別。 差を出す相手がいない枠の中で、ユーノが「ただのお友達」なのか「恋愛対象」なのかを分別することは、出来ない。 それを区別するには、確かめるしかない。ユーノで。 でも、彼はここにはいない。 結局、それに行き着くのだ。ユーノは、ここにはいない、と。 いない事実に変わりはなく、考え込んでしまった自分がバカらしくなってしまう。そう、いないのだ。ここには。 帰ろう……、となのはがソニカにその意を伝えようとしたときだった。 ソニカのほうから、なのはを見つめた。真剣な眼差しで。 「これから、私は“独り言”を言うけど、まあ気にしないでくれますか?」 「えっと、ええっ……!? あっ、わかりました」 一瞬、この人は何を言い出すのだろうか、と思ったなのはだったが、その「独り言」のニュアンスで、言いたいことが分かったらしく、少しばかり気を配慮した表情に変わった。 独り言……管理局を問わず、軍や警察などの官僚組織ではよく使われる上官が信頼うる部下に秘密を漏らすときに使う言葉。 ソニカは、なのはの上司ではないが、無限書庫副司書長と教導官のどっちが偉いか言えば、副司書長の方だ。 こんなときになんで、そんなことを言い出すのだろう。そう思ったが、それが最初にユーノが休んでいると聞いたとき同様に……予想外に想定外な言葉だった。 「ユーノ司書長に、朝会いに行ったときに言っちゃったんですよね。後でまた来ますって。あー、でも、私は司書長の代理で今日は暇が出来ないし、ほかの司書を回すことですら、あまり余裕がない無限書庫としてはやりたくはないんですよねー。 でもでも、いつもお世話になっている司書長の看病や夕食を持っていかないわけにもいきませんし、さて誰かどこかに暇な人はいないかなー?」 その言葉の意味は、明らかだった。 誘っている、そうとしか思えない言葉。意味。そして何より……なのはにとって、その誘惑に勝てるほど、精神的に安定などしてはいなかった。不安と心配と……そして、知りたいという思いが充満していて。 「まったく、個人的に非常に困ってしまうんですよね。人が少ないって罪ですよね、なのはちゃん?」 よく、私のことを「悪魔」とか、言う人がいるけど……と、なのはは思う。 この人ほど『悪魔の微笑み』という言葉が似合う人なんて、絶対にいない、と。 「ソニカさん。その私!……・・・… ――――――――――――――― 小さなダイニングテーブルに並んでいた料理はどれも美味しそうだった。 「ユーノ君が風邪って聞いたから、消化のよさそうなスープとお粥を作ってみたの」 と笑みを崩さず言ったなのはの言葉通り、その二つを含めて、体によさそうな食事が並んでいて、ユーノも驚く。 暖かいホット・ワインもそこに並んでいて、病人のための料理、にしてはやけに豪華でもあった。 なぜ、なのはがここに、というユーノの疑問は、ソニカさんに頼まれた、というなのはの言葉でユーノもなんとなく理解できた。今日は年末も年末な12月31日。 なので、業務も多く、ユーノがいない状態では、副司書長のソニカに負担がかかっているのだろう。副司書長は司書長がいないときに働くもの。だとはいえ、ソニカさんの代わりに来ているなのはには少し悪いことをしてしまった気分がユーノは晴れない。 小さめのダイニングテーブルは、ユーノとなのはが向かい合いって座っていて。 テーブルには言ったとおりの料理が並んでいて。なのはは嬉しそうにホット・ワインをグラスに注ぐ。 「このホット・ワイン。えっとグリューワインって言うらしいんだけど。体が暖まるから、風邪に良いんだって」 「そうなんだ。その、ありがとうなのは。こんなことまでさせちゃって」 「う、うにゃにゃ……そんなこと、言わなくてもいいよ。心配だったから」 ユーノとしては、そう言われても純粋にそう言うほかなかった。 また、なのはに迷惑をかけてしまったという事実と、なのはに料理を作ってもらえたという事実の二つが交差して、複雑な感情を生み出していても。 桃色のエプロンを脱いだなのはは、純粋にドレス姿だった。 はやてとフェイトに『お仕事で行かないといけない』と言って六課のパーティーを抜けてきた、と笑顔でユーノにいうなのは。ヴィヴィオのことはエリオに頼んだから問題ないよ、と聞いてエリオ君も大変だろうなぁ、となんとなく想像がついてしまったユーノもユーノかもしれない。 つい、視線がなのはの姿に。その服を着たなのはは、いつも以上に魅力的で。ユーノも見とれてしまう。 風邪はほとんど治ったはずなのに、なんとなく見とれてしまっている感じは、ぼんやりと風邪でしてしまう感じに似ている。そう思えた。 「……その、ユーノ君。あんまり、その見られると恥ずかしいんだけど……」 「!?あ、そ、そのそんなつもりはなかったっていうか」 「私、そんなにこれ、似合ってないかなぁ……ごめんね、こんな服しか準備できなくて」 「そんなことないよ!」 とっさに声が大きくなってしまったユーノ。 強い否定。本心であったこともそう。だけど、それ以上にそんなことでなのはの悲しむ顔を見たくもなかった。 「その、とっても似合っていている、から」 「!?……あ、ありがとう……ユーノ君」 恥ずかしさからだろうか、二人とも頬から赤色に染まっていた。 言葉が止まる。ユーノもなのはも、話しかける言葉に詰まって、静けさがただ、その空間を支配するかのように。詰まった話。止まった言葉。静寂の海に浸かるかのように。 ふと、場を戻すようにユーノが声を思い切って、出した。 「その、お弁当の件……ごめん」 「う、ううん。その、別にいいの。こ、ここでこうして二人でいて、ユーノ君に私の料理食べてもらえれば、それだけでとっても嬉しい、から」 「僕に?」 「うん。ユーノ君に」 満面の笑みでそう返したなのは。ユーノは何もいえなかった。 なんで、僕へ。そう聞きたい気持ちはあっても、聞けるだけの勇気がなかったから。 そっと、グリューワインの入ったグラスへと手を伸ばして取る。ユーノが取ると同時になのはもグラスを持って。 視線だけで意志を交わせる、と。 ……グラス同士が当たる音が響き渡った。 一口、ユーノもなのはも、ワインを口に運ぶ。暖かくて、すっきりとしながらも味わい深い味。 二人とも体の芯まで暖まりそうだった。 なのはにとって、こうしていられるだけで幸せがすべてを包んでくれるようにすら感じられた。 ユーノにとって、それは夢のような、世界が微笑んでくれているようにも感じた。 これがきっと……と思えるよう。そんな感じが、なのはにはした。 「ほら、この料理は私もがんばったんだよ?ちゃーんと、食べてよ、ユーノ君~♪」 「えっ?あ、うん……うん、とっても美味しいよ!」 「えへへぇ……ありがとう」 ……大切なあなたが一番笑顔であるように。 ユーノ君が自分の料理を美味しいって言ってくれて、それで私も笑顔になってしまって。 これが……恋なのかもしれないって。 話は少しずつだけど、ちゃんと進むようになっていく。なのはが話しを出すこともあれば、ユーノが出すこともある。ユーノにとっても、なのはにとっても、それが楽しいと思えたから。 ゆっくりと話し合いながらの食事。 とても……久しぶりに、なのはもユーノも思いっきり笑い合いながら、食べた気がした。 ――――――――――――――― ――どことなく、酔っていると思ったのはワインのせいだけではない気がする。 ユーノはなのはの料理を一通り食べ終わって、なぜかそんな気がしていたのだ。 ワインは結局、いくらか追加をなのはもユーノもしていた。軽く酔っているのは間違いないとしても。 「……ねえ、ユーノ君?」 ユーノは食器を片付けていた。なのはと。 食器をユーノが運んで、なのはが洗う。風邪を引いていた人がなにをしているの、となのはに言われたユーノだったが、そうでもしないと落ち着けない気がしたから。 片付けが一通り終わったときに、なのはがふとユーノのすぐ近くで、そんな声をかけてきた。 「実はね、デザートも、その用意してあるんだけど……どうかな。アイスクリームなんだけど」 「熱さましにはちょうどよさそうだけど……」 「なら、決まりね。ちょっと待ってて、すぐに取り出すから……えっと、これだ」 冷蔵庫からなのはは、アイスクリームを取り出す。 ……一つだけ。 なぜ、一つ。一つだけしか取り出さない理由が分からない。一人分にしては大きめのカップだけど、一つだけ。 しかも、スプーンも……一つ。 自分の分は自分で出すのだろうか、なら取りに行かないといけないってこと、だよね? と、ユーノがテーブルの席から立とうとすると、すかさず「ダメだよ、待ってて!」というなのはの声。 少しだけ、強めの静止の声に、少しばかりの驚きを隠せないまま、なのははさっき料理のときに座っていた場所、ではなくユーノの隣の席に座った。 どことなく、桜の香りがしたような気がユーノはした。なのはの香水の香り、なのかもしれないし、別に何かの香りなのかもしれない。ただ、少しばかり心地よい香りなだけで。 なのはは、なのはで非常に緊張していた。 していながらも、行動に移せたのはなぜだろう、自分でも分からない。飲んだワインのせい?それとも……目の前の彼のせい。理由はあやふやで固定できない。 少しだけ、息を吸って。はいて。深呼吸。 ……大丈夫。いえる、はず。 「あのね、ユーノ君。今日、実はソニカさんに頼まれてきたんじゃないの」 「えっ……?」 「その、私が頼んで行かせてもらったの。はやてちゃんやフェイトちゃんには適当に誤魔化して。だから、今日ここに私が、そのいることはソニカさん以外誰も知らないっていうの……かな?」 にゃははぁ……と誤魔化すように笑うなのは。 恥ずかしいとか、そういうレベルじゃなくて……言い始めた言葉の意味を、考えてなのはは、続けた。 「つまり……なのはが、自分の意志でここに来たんだよね?な、なんで……?」 「ユーノ君にどうしても会いたかった、じゃダメ? その、私ね、昔からずっと確かめたくて……ユーノ君、私のこと、好き?」 ふと、ユーノの片手になのはが抱きつくように……強くもたれかかる。 えっ?、とユーノは思わず反応してしまう。いきなり、ど、どういうことなのかと。 ――確かに嬉しいけど、事情が分からない。そもそも……僕は、なのはのことが好き、か? 自明の理は、証明しなくても良いこと。感情をそもそも証明することはできない。でも、するまでもない。 「好き……かな?」 「それって、お友達として?親友として?それとも、大切な人? それとも……愛として?」 「……愛として、といったらなのははどうするの?」 「私も、自分の思いを確かめてみようって、思うかな?」 疑問に疑問で返すのは卑怯だと、ユーノは心の底で返した。 言わないといけなくなるじゃないか。 普通なら、ここではやてでも隠れているんじゃないかと疑ったり、そうでなくても、誤魔化すのかもしれない。 酔っている……ワインじゃない、酔っていたのは。 ――なのはに、か。 いや、最初からそうなのかもしれない。なのはに出会った日から、ずっと自分は彼女に酔っていて…… 一目ぼれをして。ずっと、それを思い続けていて。 捨てようと思ったこともあった。だけど、捨てることなんて出来るはずがなかった。 大切な人だから。そう思えば、思うほど、深みにはまっていくように。落ちていって…… だから、もう、過去を思うことは止めにしたいから。 「大好きだよ、女性として、高町なのはという人が」 二人のする息音と声以外なにもしない、するといえば冷蔵庫の音が少しばかりする中で……言ってしまった。 戻れない道へ、分岐点。ターニング・ポイントへの到達。 未来を掴むための、一つの選択として。 聞いた瞬間なのはが少しだけビクッと動いたように、ユーノは感じられた。 引かれたかもしれない。お友達となのはが思っていれば、それは当然のことで。もう、後戻りは出来ない。 「そっかぁ……」 ユーノの言葉にそれだけを返すなのは。 そういわれて、どういわれるか、結局その最後の一瞬までわからなかった。 『まあ、私は恋とか愛とか知りませんけどね。ただ、自分の思いすら曖昧なのに、相手の気持ちなんて殆ど霧のようなものですよ。で、なのはちゃんはどうなんです。ユーノのことは?』 昼に話した、あの人の言葉が蘇る。私も、恋とか愛とか分からない。でも、きっと誰だって最初は分からない。 相手の気持ちを、今正直に伝えられて……私は? 彼への、ユーノ君への、ううん。“ユーノ”への私の気持ちは? 確かめたい。自分の気持ち。相手の気持ちが分かった後で、自分の気持ちを確かめるなんて本当におかしいと思うけど。 そっと、なのははよりかかっていた状態から、そっとユーノの顔に向き合うように体をユーノの方へ思いっきり抱きつくように動かす。自分の目の前に、ユーノの顔があって。 「……な、なのは?」 「確かめたいの。その……私の気持ちが、何なのか……」 「それってつま……!?」 ――つまり、キスってこと!? という間もなかった。二人の距離は一瞬にしてゼロ、になる。 なのはは強引にキスを奪って。驚いた様子で、なんとか姿勢を維持したままで、そのキスを受け入れようとするユーノ。 子どもらしいキス、ならよかったかもしれない。でも……男性として、女性として好きなのか、と聞かれて。 ……そんなキスじゃ、分からないのだから。 「…………」 「…………」 一瞬のときか、あるいは数十秒、ううん、数分以上かもしれない。 目と目は互いに相手を見ていたけど、どこかピントがずれているようで。 聞こえる音は空調の音と。互いの息。 分からない時間が過ぎて。互いに互いが離れたくないように、続いていたキスがふと、ゆっくりと糸を紡ぎながら……離れた。 「……いきなり、だね。なのは?」 「だって、そうじゃなきゃ私の気持ち分からなかったんだもん……」 一番最初の男の子の友達で。その場所がただ一人、彼だけのものだったから。 それ以外の場所に移ることができなかった。 でも、なんとなく分かった。これは……きっと、友達に思う、気持ちじゃないと。 「でも、分かったよ……私も、ユーノ君のことが。ううん、“ユーノ”のことが、好き。とっても、とっても 恋しちゃったかな……?」 「なら、もう叶ったね。なのはの恋は」 てへへぇ、そうだね……と誰をも魅了しそうな笑みで答えるなのは。 ユーノも、それに笑顔で返す。なんだか、自分たちのやっていることがおかしく感じた。 気持ちを通じ合ってからキスじゃなくて、気持ちを通じ合うための、キスが。 それは、普通のカップルではありえなくて。 親友だと思えて。“家族”のようにも見えた二人だからこその、確かめ方。 ふと、視線同士が、もう一度合って。 言葉もなく、ただ、見詰め合う二人。一人のイスに二人が片方は座って、もう片方がその上に抱きつく。 もう一度、二人の距離を零、にする。 どれだけの時間が流れたか、分からない。 名残を感じさせるままに二人は唇を離す。 「……“なのは”」 「……“ユーノ”」 二人の名前を呼び合う。 どことなく、名前に新鮮味があった。ユーノがなのはを呼ぶのはいつものこと。でも、少しだけなにか違う気がして。なのはがユーノと呼ぶのは、もうすべてが違うようにすら感じられる。 息遣いだけが、音として表現されるようで。 他人じゃない、大切な恋人として。 恋の麻薬。時として、それは普通の麻薬以上に人を誘惑する。その通りだった。 冷静に考える必要すらないように感じられて。 「……大好き、“ユーノ”」 「僕も、大好きだよ、“なのは”」 ドレスが乱れたなのはを一度ぎゅっと抱きしめて。なのはもそんなユーノに必死で抱きついて。 二人のそれが、1年の最後の日。そして、同時に新しい年の最初の日。 終わりにして、始まりの唄。 新しい始まりのベルから始まる、物語は……まだ、白紙の自由帳のように、可能性に満ち溢れているから。 すっかり忘れ去られたアイスが、少しずつ溶けていく中で。 二人もまた、夜の微睡(まどろみ)にとけていくのだから。 後日談 1月1日、元旦。 無限書庫においては、大晦日も元日もあまり意味はない。 いつもどおりに動いて。いつもどおりに去っていくべき日だ。むしろ、何か問題があったら非常に困るので、基本的に日常の大切さを痛感するような日である。 ソニカ副司書長は、2日目の徹夜を追え、しかもユーノがいないという困難を追え、かつ3日目に突入しようとしていた。ユーノが戻ってきても、結局今日は仕事なのである。 ところが、である。 遅めに出勤してきたユーノは、まあ遅いぐらいはよしとしよう。そもそも、病欠していたのだから。 午前の仕事をいつもの1.5倍ぐらいのスピードで進めていたことも、それはよしとしよう。 問題は…… 「ユーノ~っ! えへへぇー、お弁当持ってきたよー」 無限書庫の広い館内に甘々しい声が響いた。資料整理を行っていたソニカは思わず、重要調査資料として聖王教会から委託されていた聖王家の家系図を落としてしまう。バタンッという音と共に傷がつく家系図。どうみても、紙が一部破けていた。 「ああああっっっ!?ちょ、ちょっと、ソニカさん!?そ、それカリム理事から傷一つなく調べてほしいって言われた資料じゃないっすか!?!?それ、どうみたって、アーキビスト(資料保管のエキスパート)として失格じゃないですか!?」 「し、知るわけないでしょ!?な、なに今の声? あの甘すぎて、何も言うことができないような、声は!?」 糖度は60%とか90%とか、そういうレベルじゃない。そもそも、糖度の物理上の限界値は100%なんだが、計測上はもっと上ももちろん行く。 150はあるだろうか。とりあえず、今までの二人でも十分甘かったのだが。 そもそも、なのはがフェイトもびっくりに呼び捨てで彼を呼んだのが問題なのだ。呼び捨てというだけで、呆然としている職員がちらほらと…… 「……火にガソリンでもかけちゃったかも……?」 昨日、なのはちゃんにガソリンのように誘発物を誘ったソニカとしては、それ以外に理由が思い当たらなかった。 声のする方向へとにかく目線を向けた。見る限り、すべての司書(ライブラリアン)・アーキビスト、そして事務職員までもが、その声の方向に目線を向けていた。 仕事ばかり多すぎて、恋愛が皆無な無限書庫。職場内の結婚者率は6%。ある意味地獄のような空間だけに余計に、なのかもしれない。 「にゃははぁ。今日はヴィヴィオも連れてきたよ、ほらヴィヴィオこっちの人が……ユーノパパだよ♪」 「えっと……ユーノパパぁ?」 ……はいぃ? 無限書庫で一瞬、時間が止まったような錯覚が生まれた。 一応、総員数数百人の、管理局でもなかなか単一部署としてはない人数を誇る無限書庫の、全職員の感想は、すべてそれだった。 「……ガソリンじゃなくて、巻いたのはオクトーゲン火薬か、ポラリスだったっけ?」 いわゆるプラスチック爆弾の名前……管理局世界では規制される質量兵器の一種の名前であり、ポラリスといえば、地球はアメリカ合衆国が開発した弾道ミサイルの名前。一応、腐っても歴史の正しい資料を管理する職業、アーキビスト。知識だけは無駄に豊富だった。なにがいいたいか、といえばつまりこの甘さは規制して欲しいという現われだったようだ。 管理局法で規制されないだろうかぁー。ラブラブ禁止条例。 なぜか、書庫の94%の職員の意見だった。 残り6%は、単にあれだけラブラブによくなれるといった、羨望や唖然の眼差しだった。 とりあえず、代表して聞かねばなるまい……ソニカは、無限書庫職員の総意を胸にユーノとなのはに近づく。 うわぁ……近づいているだけなのに、甘さが強まっている気がする、とソニカは感じつつ。 「あの……ユーノ司書長?」 「えっ、どうかしました。ソニカさん。というか、皆さん、何を手を止めているんですか?」 気づいていないよ、この人。 なんていうか、司書長に言うだけ無駄な気がしていた。 一応、これでも無限書庫にユーノが入ってきたときからの10年来の付き合いなのだが、ここまでとは、と目の前の二人の天然さに呆れを超えて、言葉も出なかった。 「……えっと、なのはちゃん?」 「えへへぇ……ユーノぉ……ぐふふ……」 なのはの顔がソニカには思わず幸せすぎて、顔が解けかかっているように見えてしまった。 どことなく、彼女の親友の執務官もそういう顔したら、間抜けに見えるんだろうなぁ、と見当違いのことを考えてしまう。 「?えっと、ユーノパパでいいんだよね?」 「うん。そうだよ、ヴィヴィオ……ユーノ・スクライア。無限書庫の司書長で、なのはの恋人」 ――私たちへの報告は無しですか、そうですか……まあ、一瞬で分かりますけどねっ! どこかでそんな声が今すぐにも聞こえてきそうな気がしてならないソニカ副司書長だった。もう、涙目だった。 「ええいっ!全職員、ただちに業務に戻りなさい!ここにあるのは、単なる砂糖よ!シュガーよ!糖度が200%とか、300%とかある、単なる珍しい砂糖よ!さあ、気にせず仕事を…… って、無理よね……」 もう、仕事なんてやってられないって感じだった。新年早々、無限書庫はお手上げ状態になってしまった。 なーむー。 絶望感漂うソニカに、追撃の一言をユーノは囁く。 「それじゃあ、なのはとお弁当食べているんで、このよく分からないけど、騒動の収拾をよろしくお願いします」 はあっ!? それはきっと、冷戦でソ連を勝利に導いたり、はたまたフェイト・プロジェクトを成功させたり、あまつさえ管理局を支配するのと同じぐらい無謀というか、正直冗談は大概にしろよ、と言いたくなるソニカ。 ――いや、実際にここまで甘さに壊滅、というか全滅している状態で立ち直らせるなんて、無理です。 「……まあ、あの二人が結ばれてよかったと思っておけばいいのかしら……はぁ……」 とりあえず、何かしら良い言い訳を探そうと、必死にユーノにいう言葉を考えるソニカだった。 ――――――――――――――― ばさっと、お弁当、となのはが言った箱は、重箱だった。 おせち料理、というやつである。 「お母さんに教えてもらって、がんばって作った……のもあるんだよ!」 「なのはママ、凄く焦ってて、フェイトママに頼んでもらって、えっと桃子おばあちゃんからいくつか送ってもらっていたんです。ユーノパパ」 げっ、とそれは言わない約束だったでしょ、と言ったのにといわんばかりに焦るなのは。 素直なヴィヴィオにユーノも微笑が漏れる。 でも、その言葉遣いはどうかなって思う。敬語だったから。 「ヴィヴィオ。僕には別に敬語なんて使わなくて、普通に話してくれればいいよ。 その……ヴィヴィオの“パパ”だからね」 「あ、わかりました……じゃなくて……あい!ユーノパパ!」 ピシッと敬礼をするヴィヴィオ。何か、機動六課にいたせいか、間違った挨拶を覚えているみたいだった。 そこも、また微笑ましい話だけど。 そっと、ユーノの横になのはがちょこん、とつく。手を引っ張って、何かを示していて…… 「そ、そのね……昨日、実はアイスでやろうと思ってできなかったことがあるんだけど、いいかな?」 「アイスで?えっと、ここでもできるの?」 アイスでやれることをおせち料理ですのは、なかなか難しいような気がした。だけど、なのはは頷いて。 そういえば……あの時、なのはは「一つのアイスカップ」に「一つのスプーン」だったっけ、と記憶が戻ると同時だった。 「あ、あーん~っ♪」 恥ずかしそうに、だけど嬉しそうな表情でユーノに自分で作った伊達巻を彼の口に運ぼうとする。 なんだか、確かに恥ずかしい……だけど。 こんなことをしてもらえて、同時に嬉しい。 そんな気持ちがこみ上げてきて。 「あんっ……とっても美味しいよ、なのは」 「ほ、ほんと?ユーノ?その、ありがとう……そういってくれると、なのはも嬉しいかな?」 「うぅぅ……ヴィヴィオもヴィヴィオも!なのはママの伊達巻食べたいぃ! ユーノパパずるーいっ!」 それが、新年最初の、お話。 あとがき 12月31日中に終わらせようと後半切羽詰まってました。無理はするものじゃないね。うん。 後日談が一応考えてあるんですが、今日中に無理っぽいので、後で追加ということで。 お弁当はどこに消えた、といわれそうですが。気にしないで!w 純粋に、私はなのはの表現が下手だなぁーと思います。彼女はもうちょっと上手く描ければよいのに、と思うのですが、どうにも私の妄想なのはさんはそう優しくない方です(ぁ そして、後日談は暴走しそうで怖い。うん。具体的に言えば、後日談こそ『お弁当』です。 間違いなくw まあ、後日談の話は1月1日にでも公開するとしてですね。 この完成版に至るまでに5つほど、書いてすべてゴミ箱行きw 実は書き直すごとにほのぼのさが消えた(ぁ あ、あれぇ? なに、私のSSにしては一番エr(以下規制)い? 実のところ、早く更新しないと年明けるとサーバーが絶対に重くなる思ってです。あとがきまで書いていると死ぬ。間違いなく死ぬ。 1月1日 追加部分を投入。ソニカ副司書長は、どうやって、あのバカップルを切り抜けることにしたのか、書いた自分も気になりますが、とりあえず、シリアスから一転させて書いてみました。 それでは、またの機会に。