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2008
01,15
22:15
魔法少女リリカルなのはStrikerS~もうひとつの物語~ プロローグ
CATEGORY[「もうひとつの物語」シリーズ]
宣言どおりにのんびり書き始めたお話。題名はそのまんまです。
魔法少女リリカルなのはStrikerS~もうひとつの物語~
なお、プロローグはプロローグですけど、副題が各話に入れる予定。
オリキャラも相当数……といっても、中核の話(六課関係)にはいないに等しいと思いますが出ますので
オリキャラはダメなんだ、という方は覚悟しておいてください。ごめんなさい(ペコリ
プロローグは、始まりの話の前だけにオリジナルと話が変わる前の話。
あってもおかしくは無かった最初のレリック事件(コミックEp1~3)の話より前(つまりはA’sの最後より前)になります。
最初からオリキャラがそこそこ出ますが、まあ最初のころは多いですけど、重ねて言うように六課関係は変わらないですよ、六課のキャラクターを立たせることが大切と思っているので。
それでは、長編プロローグ『Birdstrike~歴史を変えたひとつの出来事~』をどうぞ
時の中、時の音色、時の歯車。
歴史を、そして何より今と過去と未来を紡ぐ世界の中で、時にはターニングポイントと呼ばれる転換期というのがあるのも、また歴史と言う巨大な枠の中でその切れ目切れ目を役者がどう動くか。
かの、地球有数の詩人とされるウィリアム・シェイクスピアはこう言った。
――全世界は舞台だ。そして、すべての男も女もその役者にすぎない、と。
さあ、役者を入れ替えよう。さあ、舞台のシナリオを変えよう。
舞台の主役は変わらない、舞台の脇役が少し変わっただけ。しかし、シナリオは脇役に少しの変化をさせただけのはずが、それは石を投げ込まれた池の波のように、大きな変化をもたらす。
それは、完全に想定外。空を飛ぶ飛行機に同じく空を飛んでいた鳥があたってしまうぐらいの小さな想定外。
その日から、歩むはずだった歴史から離れる世界。
そんな世界の、ちょっとした、物語。
―――――――――――――――
それは、新暦71年4月はじめの出来事だった。
ユーノ・スクライアを司書長とする時空管理局・中央データベースである無限書庫【Infinity Library】では連日続いていた資料請求が珍しく大幅に減少していた。
これは、大雪崩の前兆か?あるいは、どこかの幕僚が請求を忘れていて、今に各部署から巨大な請求の束が送られてくるのか、と司書たちは言い知れない不安に怯えつつも通常業務を進めていく。
そんななか、ソニカ・ミスリレック無限書庫副司書長は窓口から電話が来ていることを知らされた。
今年23歳。基本的に平均年齢が20代といわれる書庫ではそこそこ歳は中間ぐらいな方で、その黒く長い髪と青色の瞳ゆえに男性からの誘いはあるのだが、無限書庫でユーノに次ぐ地位の副司書長をしているためか、それともそもそも無限書庫というところがそうさせるのか、年齢以上に精神は歳を食っていた。
その癖に、年下のユーノにも気軽に話しかけたりするので、誰でもフレンドリーに話せるタイプでもある。
ゆえにその手の誘いは断ることが多い。まったく持ってもったいない人間である。
まあ、それはいいんだけど、と連絡をしてきた窓口担当にユーノ司書長はどうしたのかを聞く。
本来、その手の上の人からの電話は自分じゃなくてユーノ司書長の担当なのだ。
ちなみにユーノ司書長は『奥のほうで資料に没頭しているのか連絡が付かない』とのこと。
ため息をつきたくなったが、つくと幸せが逃げるとか言う世界もあるらしい、やめておこうと寸前のところで止める。
あの歳で司書長を勤めているのだから。
あの子があの歳で司書長なんてやっているのに自分は、と。
「はい、管理局無限書庫のソニカ・ミスリレック二等陸佐、書庫副司書長ですが?」
無限書庫の司書に階級は無い。
ただ、役職についている人には暫定的な階級が渡されており、ソニカは二等陸佐だった。
仕事が過酷な分、給料が高くないとやっていられない分野なのだ、ここ。
階級は高くて困ることは、そうはない。
まあ、これくらいの役得があっても悪くないわよね、と思うのは仕方ないんだ、と自分に言い包めておく。
あえて言えば権限が上がる分、無茶な資料請求を拒否しやすいし……これは邪な考えかもしれないけど。
『時空管理局・技術研究本部のセレナ・カルステンス准将・技研本部長よ。
スクライア司書長と無限書庫に頼んでいた、資料請求の話なんだけど』
電話から出てきた相手の声は、そこそこのおばさんだ。それでも忙しそうな感じが声からも漂ってくる。
それでも技研本部長なんて楽そうね、と思ってしまうのは仕方ないはず、ここの仕事を知れば誰だって。
誰だって一度は思うこと。絶対にほかの部署の方が楽だよ、と。
いけないいけない、そんな話じゃなかったと頭を仕事モードで入れ替えて話を再開する。
「あ、はい。期限が月末までのですね?」
『ええ、でも今年の技研の予算が本局で決定されない関係で
今出している資料請求はすべて予算が決定してから再度出したいと思うので
いったん棚上げにしてくださって結構なの』
「えっと、棚上げですか。でも……」
と、ぐるりと見渡して今資料を探している司書たちを見上げる。
探しているのは……半数近く、その請求されている資料だ。武装隊も滅多なことが無い限りはロストロギアとかかわる事件は無いため、無限書庫に資料請求してくることも少なくなっている。この案件がなくなったら月末一週間の仕事無くなるわね、と。
「別にこちらも忙しくないのでかまわないのですが……?」
『いえ、私が月末に少し旅行に出かけるのね、それで私に資料送られても困るし。
そっちに資料をまとめたままにしておいたり、こっちに送ったままにしておくと、情報漏えいの可能性もあるでしょ?だから、予算決定後、最低でも私の旅行後に資料は探していただきたいのよ』
そういえば、つい最近も地上本部で情報漏えい事件があったとかで、特に情報関連の管理には煩いことを思い出す。まあ、面倒なことはどこも同じってことで。確かに無限書庫で整理されていない情報を奪うことは司書でも無い限りは無理だ、というか絶対に見つけ出せない。
「うーん。では、ユーノ司書長と相談しますので、また今度に」
『ええ、わかったわ。それじゃ』
ガチャ、ピーピーピー……
いまどき、アナログ?と思わせるような最後の音に少し悩むソニカだったが、局の中央データベースですらアナログなんだし、と……考えて悲しくなるような現状に涙を流したくなった。
中央データベースは……ここだった。残念なことに。
いや、ここは耐え時よ、ソニカ! むしろ、ユーノ司書長のおかげで250%ぐらいは楽だと思うのよ!と自分で自分を励ます。ここの司書ならよくある光景だ、自己逃避ともいうが、きっと、たぶん……問題ない。
「私はここでちゃんとやってるじゃない、だから大丈夫……」
「なに独り言を言ってるのさ、ソニカ」
「何をって、ここで独り言を言わないでいられるかって……ユーノ司書長!?
あ、いえなんでも……そ、そうでした!管理局技研本部から資料請求をすべて取りやめにするっていう指示が来ましたがどうします?」
「取りやめ、にすると月末の一週間、書庫が始まって以来始めて仕事がなくなるね」
「仕事と言うか、請求業務がなくなるだけで、調査業務とデータベース業務はありますけどね」
資料請求に応えるだけが無限書庫ではない。非整理区画の整理、歴史文献の継続的な調査、政府の公文書の整理、公開可能公文書の移動などなど、やることはほかにもあるにはある。
もっとも、やっぱり主だった業務は、資料請求が大きなウェイトを占めているのだが。
「うーん。どうしようか、ソニカ?」
「いや、笑顔でそういわれても……ああ、良い資料でも見つかったんですか」
満面の笑みを浮かべるユーノ。
先ほど、書庫の奥のほうで整理をしていると面白い本が見つかったのだ。
ミッドチルダ式魔法構成の強化という非常に興味を引かれるタイトルで中身もざっと見ただけでは十分よかった。こういう本を定期的に掘り出しては司書長室に置くユーノ。司書の間では専ら有名な話だ。
「私としては、一週間全員休暇だー!といってくれると主に個人的に嬉しいですね。ああ、副に休暇を取れと煩い管理局労働組合の対応を当分しなくてもよくなる意味でも楽なんですが」
管理局随一の仕事量を誇っている無限書庫。
こんなに資料請求が無いのは始まって以来というのは嘘じゃない。
このところ、ロストロギアの資料請求に関して、聖王教会も支援を表明しているためにすぐに見つかる
けどデータ量は少ない教会にまず資料請求を行く場合が多いと聞く。
それで見つからないと無限書庫に、というのが流れらしい。
ただ、あっちへの資料請求はそれなりの対価を請求されることでも有名で、どっちにしても管理局労働組合としては、仕事ばかりしている自分たち、ソニカやユーノには耳にタコが出来るぐらいに煩く休暇をとれ、と言ってくるのだ。
うーん、と何かしら悩んでいる様子のユーノ。数秒間、ユーノは悩んだ、緊急の資料請求の場合を考えないといけないため、全員一週間というわけにもいかない。
――それなら僕が一人でいれば、と思いつくのは早かったけど、目の前のソニカが許すとは思えない。
副司書長のソニカは、いつも僕が一人で、というと休め、とこのときだけは労働組合も驚きの煩さで言ってくるし。まあ、僕も休暇でも取るかな、せっかくだし。
「なら、休暇を全員でローテーション。緊急時もあるから、職員を7つの組織に分けて、6日休暇、1日出勤って感じで。ああ、ただし僕とソニカは管理者ってこともあるから、2人で休暇は僕と君で半分。僕が4日出勤で3日休み。そっちは逆、で良いかな?」
「やっと、私が納得するような妥協案を最初から出すようになりましたね、ユーノ司書長。
あなたは歳が歳なんですから、無理はダメですよ。っと」
えっと、というか僕の歳はまだ若いんですけど。
というか、自分、まさか、ソニカに子ども扱いされてる?
実際にソニカにとって、ユーノは尊敬する上司でもあったが、同時にまだまだ幼い男の子。
自分があの時はまだ可愛らしく休みを貪欲の求めていたものだと彼女本位の考えもあって、ユーノにはプライベートでは思いっきりお姉さんのつもりだったりする。
「わかったと言うか、毎回無茶苦茶なこと言って、結局そっちのペースに巻き込むのはソニカでしょうが」
「いや、それはそうかもしれないですけど、ほら司書長とよく会いに来る大出力の砲撃をする……」
「なのはのことですか?」
「そう、それ!高町なのは教導官と司書長の補佐役のアルフちゃんの主人であるハラオウン執務官とか、八神はやて特別捜査官とか、あちらさんと仲よろしいみたいなのに休暇が無くてほとんど書庫で話していらっしゃるだけじゃないですか。休暇もかねて会いにでかけたらどうです?」
「そういわれなくても、来週には同窓会があるんだけどね」
来週にはアースラに集まっての同窓会。
その日はすでに時間を作ってあり、さらにアルフが手伝いに来るため問題ない。
久しぶりにみんなに会えると思うと、むしろ嬉しいぐらいだ。
もともとその休暇だけでも嬉しいので、それとは別にある休暇、と言われてもピンとこない。
ユーノも、確かにせっかくの休日を家でごろごろしていたら、おっさんみたいな気がしないでもないが。
そういえば、なのはからのメールで29日前後に休暇をとるとか言っていたことを思い出す。
フェイトと、はやてと3人でゆっくり温泉に行くとか言っていたはずだ。もっとも、そっちの方には自分はいけそうにもないが、まあその前に顔を出すぐらいはできるかもしれない。
そんなことをユーノが考えているとも知らず、むしろのほほんとした雰囲気を漂わせ、休暇を思いっきり楽しみそうな表情をしているソニカがむしろうらやましい。友達と言って、なのはたちが出てきて、男友達がほとんどいない自分としては、成長していくにつれて男女の、そんな些細なことでもこっちは恥ずかしいというのに。
「でも、あれですよね。司書長のお友達って女の子が多いですよね~
誰か気になっている方とかいるんですか?」
「き、気になっているって、あ、あのね、ソニカ副司書長」
「何がごまかしたいときは、そうやって硬く私を呼ぶもんね、ユーノ司書長」
「うっ……」
人の揚げ足と取ると言うか、ソニカはこういうときに限っては言葉が達者というか。
誰なんです?というソニカの沈黙の訴えにユーノは思わず嘆息する。
「気になるというか、そもそも僕の周りって男友達がいないじゃない?」
「ああ、よく大量の資料請求に来る嫌な艦長さんを除けば親友なんていなそうですね」
言うに及ばず、その艦長はクロノ・ハラオウンという。
だが、あんまりクロノを親友とは言いたくない。あれは悪友だ、とユーノは強調しておきたいところだ。
「だから、必然的にというか、なのはたちとよく話したり会うんだけど、そのせいか、どうもそっち系の感情は一定以上上がらないって言うかな」
ユーノの、なんともいえないような関係を話して、ソニカは何もかもが引きつった。
事実なんだから、仕方ないじゃないか、とユーノはため息を吐く。なぜか悲しくなって。
「うわー……大切な青春時代なんて糞食らえな話ですねー。
絶対に無限書庫にいる限りは、会うことすら稀な上にそう来ますか、こりゃ司書長が司書長である限りは関係変わらないそうだわ~」
関係、そういわれてもなぁ、と思い浮かべる。
確かに、確かに自分が好きな人がいないわけじゃない。いや、いなかったわけじゃない。
首を左右に揺らして思案に耽れば、ふわっ、と思い出が浮き上がってくる。
ユーノはなのはのことが好きだった。
今も、その思いが嘘だったとは言わない。だけど、それは今も続いているか、それがわからない。
二の句を継げない、そんな引っ掛かりがずっとユーノにはあったから。
なのはの事故、あれ以来、自分の中では彼女のウェイトは増えているのに、それは恋よりも別の感情に変わったような感じがして、まるで地のぬかるみが自分に絡み付いて、離れないように自分を束縛している。
「まあ、どうなんだろうね」
ユーノ自身その件は、はっきりしなかった。
はっきりさせることが、正しいことか、小首をどうしても捻らざるえなかったから。
正直に言えば、今のままでも、自分は良いと思えた。そういうことだ。
「別にそういう話はユーノ司書長が決めることだと思うけどねー。
司書長は、なのはさんたちの為に何か手伝えることは、と思って無限書庫でお仕事始めた、でしたよね?」
「まあ。それにこれだけの膨大な資料を見れるっていうことに対する興味もあったよ、正直ね」
「そりゃ、司書長室にあるユーノ司書長の趣味の塊を見れば誰でもわかります」
にんまり笑いながら語るソニカ。でも、その笑みは多分に皮肉が効いていた。
ユーノとしては、これも考古学とか、遺跡発掘とかでは意外と役に立つ知識なのだから、非難される理由は無いが……
司書長なのに仕事外のことしている意味では言われても仕方ないことには気づいていないらしい。
「でも、今じゃお仕事ばっかりしていて、その歳で司書長で一等陸佐と。
この後、どうするんです?無限書庫の整理が終われば、今のような大規模な書庫司書は必要ないでしょう。
そのとき、人員は大幅削減されるでしょうけど、司書長として、まさか残りの一生もここで過ごすつもりです?
あえて言えば、そう司書長の道!」
ソニカが真剣な目つきでちゃんと言って、とでも言いたそうな興味心を前面に押し出してユーノを見つめる。
何より、自分は……とそこまでユーノは考える。
自分が何をしたいのか、そこまで言われると……その後、決まっていなかったから。
「そうだね、まだ、決まってないかな?」
「決まってないんですか。まあ、それはそれで良いでしょうけど。
でも……バードストライクってご存知です?」
「えっと、鳥が飛行機、風車などの構造物にぶつかる、だよね?」
何を突然、と思いつつも記憶にあるバードストライク、についてしっかり言ってしまうユーノ。
むしろ、これは職業病の類かもしれない。
こんなこと知っていて、何の役にたつのやら、と考えてしまうところだが、ソニカは比較的まじめそうな顔を崩さなかった。この意味を言っているのは間違えないのだが、その意味そのまま、というわけでもないようだった。
「そう、空と飛ぶっていうのはそれだけで危険なんですが、そういう意味じゃなくてですね。
鳥だって衝突するんですから、司書長がどんなことをして、どんな壁に衝突しようともいいんじゃないですか?
その道は大切ですよ、ターニングポイントという言葉もありますし。やりたいことはそのときにやれ、みたいな?」
「壁ですか……やりたいことを、って、今は仕事ですけどね」
「まったく面白みの無い返答をどうもありがとう、ユーノちゃん」
「……仕事中にその呼び方は厳禁」
フレンドリーなソニカ、それゆえに呼び方もフレンドリーな場合が多い。
さすがに「ソニカさん」に「ユーノちゃん」では、無限書庫の司書長と副司書長の会話とは思えない、特にちゃんの方ということで、何度も釘を刺していっているのだが。
悪気はまったくなさそうなソニカはそのまま、にこにこと笑う。
「はいはい。
さてと、せっかくですから、そのまま司書たちに休暇情報を送りますね。フライ・ウインドウ20窓で」
ユーノの目の前でソニカが小型端末を使って宙に浮くフライ・ウインドウで一気に出たのはカレンダー表。
ソニカの操作でそのカレンダーに次々と日程表が作成されていく。
休暇の日程表なのだが、司書ともなればこの手の事務処理全般は難しいわけじゃない、が20窓もできるのはユーノとソニカぐらい。ユーノレベルの逸材はそうはいない、とはクロノ談だが、ここにいるんだよ、ここにと一度言ってやりたい。
まあ、ユーノも久しぶりのまとまった休暇に実のところ嬉しかったり。休暇はどうしようかな、と頭の中は本格的にその3日の休暇のことも含めて考え始めていた。
「それじゃ、ユーノ司書長は4月28、29、30日を休暇としますね。
5月の1、2、3、4はこちらが休ませてもらいます。変わりにっと……はい、出来上がりで即時配信っと!」
配信ボタンで瞬時に今、そしてこれから仕事をする書庫の司書の元へとデータが送られた。
司書たちが持つ携帯情報端末に送られるのはほんの数秒の出来事。
そして……
その、
休暇
という文字。送られた司書たちの驚きようは、普通じゃなかったとだけ言っておこう。
あるものは何をそこまでと思えるほど泣いて喜びの言葉を叫びだし
あるものはジョークじゃないか、と何度も何度もそこに書かれている文字を確認し
またあるものは、自らが崇める聖王に祈りが届いたと感激のあまり声すら出ずに倒れ。
……その日から、やけに無限書庫の資料整理スピードが4月末まで速くなったことは、まあ言うまでも無い。
「……最低でも、まだまだ僕が無限書庫から出れるのは先みたいだけど、これ見ると」
「いや……司書たちがハイテンションすぎるだけですよ。ええ、きっと、多分」
目の前の喜劇のような惨劇に、説得力ゼロのソニカの言葉を受け流しつつ
ユーノは、ソニカに問われたことを、自分のこれからについてを考え込む。
自分がここにいる理由、そしてこれから。ある意味、決まっていたはずの考えは、ふと考え直せば曖昧で。
そこに思案をいくら含めても出ないで。だからこそ。
――何か、同窓会と月末の連休で見つかるといいけど。
そう思えた。同窓会とかでそんなことに対する考えが生まれるなんて本来無いだろう。
連休なんて何も無いまま過ぎてしまうだろう、そういう風に想像はすぐつくのに、なぜか、なぜかユーノはそう心のどこからか感じていた。何か、何かあるかも、と。
まるで、シナリオ通りに演じていたら、突然アドリブで話されてどう返すかを考えるかのように。
それが、最初の歯車の食い違い。
シナリオの変わったはじめは、単なる休暇を得ただけ、そんな些細な話から物語は始まる。
後書き
プロローグ『Birdstrike~歴史を変えたひとつの出来事~』終わりー
ユーノとオリキャラの、書庫副司書長のソニカさんのお話でしたっと。
ユーノとソニカは、ある意味でクロノとエイミィさん、をイメージしています。
なので、ユーノはソニカを「ソニカ」と呼び捨て……こっちは立場上の関係ですけど。ソニカのほうは「ユーノ司書長」あるいは「ユーノちゃん(私的)」と、ソニカさん、10歳差のユーノになにしているんですか(ぁ
もっとも、結婚しちゃった二人と違って完全にお仕事の仲で、ソニカさんのキャライメージは、色々と複雑だったりしますから、まあ感じ的にはそんな二人ってことで。
プロローグなので、変化させた部分だけの話です。無限書庫が忙しくなく、ユーノに休みができちゃってます。
とりあえず、変更点はたったそれだけ。
だから話が動いていないで、ユーノの内心的なことしかない、なんだか必要性の感じない文になっているとか、そんなことは………(沈
ユーノにそれだけの変化がおきるだけで、後はカオス理論・バタフライ効果的に歴史は変わるはずだ(ぇ
この世界のユーノ君は別にSランクの魔導師になったりするわけじゃないけど、それなりにがんばってもらおうかなって思ってます。というか、StSの話なのに、1話がアニメじゃなくて、コミックの始めなことにごめんなさい。これじゃあコミックを読んだことの無い読者にはいまいちわかりづらいかもしれませんが、コミックの最初は「初めてのレリック事件」。そんな感じの話です(単行本持ってないので、このために注文して買った人間です)
で、1話からユーノ君中心の話じゃないと言うね(お前は何を考えている
なお、ソニカ・ミスリレックは、ダイハツ・ソニカから。もし四期が出たら、使われそうな名前で怖いw
同時にチョイ役っぽいセレナ・カルステンス准将・技研本部長は、日産・セレナ。こっちも四期が(以下略
ユーノって、無限書庫に一生いるつもりなんだろうか、と書いていて思って、そのせいでそんな感じの自問を入れてみたり。書庫なんて書物整理が終われば、大規模な予算を投じる必要性はありませんし。
そうなれば、後は本当に管理職。ユーノみたいに遺跡に行ったりと行動派の彼がずっと書庫に居座っているか不思議なんです。皆さんどう思います、ユーノって?
あなたの思うユーノってを募集中! コメントあるいはWeb拍手で!(いきなりかよ、っていうかマジかよ
と、コメント返答ですー
感想
螺旋でーす。
いいなあこんなほのぼの話、ぜひアニメでやってほしかった。リリなのは恋愛中心でやっても絶対おもしろいのになあ。もったいない。ていうかアニメ戦闘に力入れすぎ。もうちょっとこういうほのぼのが足らなかったと思う。ほんとそういうアニメになったらなー。DVD含めて全部買うのに。いつも楽しませてくれてありがとうございます。
そういう恋愛というか、魔法少女のお約束は一期の3話ぐらいまでで置いてきてしまいました(ぁ
戦闘で思い出して、私今まで戦闘表現を書いて公開してない……これの1話、戦闘表現ある……!?
しょ、精進します。
ほのぼのアニメだったら、そのままよくあるアニメで終わっていたかもしれないですけど
入れてくれないと魔法少女は語れませんよねーw
感想ありがとうございました、螺旋さん。
どうもです。今回のSSはお子様時代の二人ですか・・・。子供らしい(?)勉強会(?)の話ですね。しかしユーノの読解力は凄い流石将来無限書庫司書長に成る奴だよ!!其れと鈍感なのはさんの思いが出ていて良かったです。この時だけで恋年齢はユーノの方が上だったと言う事です。でも19歳に成ったら並んだと言うよりユーノが別の意味で枯れてしまったと言う事ですかね…。なのはは自覚してユーノに告白しようとも時間が合わないと言うも有るがユーノがなのはへの恋心は薄らいでしまった、というよりなのはへの罪悪感で其れと捨ててしまった所ですかね?まあこの先どうなって行ったのかなと思いました。では。
セブンウィンズさん、感想ありがとーですー。感想ってもらえると書く気になりますね。本当に。
なお、その後は、実はユノなのだけは、「ユノなのSS」と題名に入っている(カテゴリじゃない)がすべて統一した設定の下に動いているので、続きは「魔法なんて無くてもいいから」となります。で、一番最後(時間軸で)が今のWeb拍手のおまけですね。だから、ユーノパパと呼ぶヴィヴィオがいます。
無限書庫司書長というか、彼遺跡・考古学のバカ(良い意味で)ですからね。例え知らない文字でも解読してしまいそうな気がします。鈍感すぎて、結局気づいたのが19歳なので、なのはさんにとってはよかったのか悪かったのか。もし、9歳時点で恋人になっていたら、一度空を落ちたあと、空に戻らずにユーノのお嫁さんになっていたかもしれません。まあ、そういう妄想って素敵だよね!(ぉぃ
Web拍手もユノなのの9歳話で嬉しい感想をもらえて、9歳もまだまだやれるな、と思った次第ですw
実は9歳シリーズとして、最初に来たのはユノフェイの方なので、ユノフェイの9歳も書いてみたいかなって思ったりしてます。どっちかというと受動態的なユーノとフェイト(一期)の性格を見るに、十分に面白いのが出来そう。
っと、これからは長編と短編を気分に応じて(!?)書いていくことになると思います。
また、1,2,3月と試験、検定が私的に重なっているので更新が持続できるかわかりませんが、なにとぞよろしくです。
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コメント
感想とユーノについて
螺旋でーす。
とりあえず、この長編非常に楽しみです。StSはなかったことにしてやりはじめたいと思っている自分がいますw。ていうか、設定の詳しいところがなかったりしてるし、特になのはが大怪我したときのこと、はっきり言って回想でこまかくやってほしかったなあ。せっかく26話だったんだから。とりあえず、参考になるかはわかりませんが、私の考えているユーノについて書きます。とりあえず、何もなければ、なのはたちがいるかぎり、無限に資料があるかぎり、無限書庫にいると思います。でも、誰か(特になのは)に何かあったら場合によっては簡単に辞めてしまうと思います。一人でジュエルシード封印しようとするくらいだし。人のためなる無茶する度合いはおそらくなのは以上かと思う。そしてある意味そのとき一番止められない人だと思います。そういう意味ではほんとにこの二人は同じだと思う。ただ二人の恋愛観は作者の書いているssが実に共感してます^^。他のところでもありますが、私個人としてはStSのユーノになのはが告白しても簡単にOKするとは思えません。熱く語りすぎると本当に終わらないのでこのくらいにしときます。続き待ってます。
【2008/01/1600:51】||螺旋#5773b3aade[
編集する?
]
感想!!!
どうもです。ユーノの嫁探しを終らない内に長編ですか?スイマセン、もう言いません!!!では本題の感想。レリック事件の序章に当たる事件前の話、この後どうSTS軸と変わっていくか楽しみにしています。其れとユーノのなのはへの気持ちはやはり見守って行くと言う親心に変わってしまったのですかね。周りがそれに気付かないのはユーノが顔に出さない為ですかね?もし気付ける人がいるとしたら其れは一体誰でしょうかね?誰かが気付いていれば話が変わっていたのでしょうかね?では。
【2008/01/1608:16】||セブンウィンズ#2aa022e1cc[
編集する?
]
感想?
どうも、上条です。
ユーノくんメインでオリジナルの副司書長、私が書きたいと思っていたと同時に凄く見たかったものです。
悔しい! でも嬉しい。
この二人のやり取りはとっても好きになれそうです。長編、楽しみにしていますね。
ユーノくんは、確かに行動的な人物だとは思いますが、もしかしたら無限書庫の秘密と日々格闘しているのかと妄想してみる私です。なのはは……どうなんでしょうね? それも含めて続きが気になるところです。
それでは、これにて失礼します。
【2008/01/1823:09】||上条厚狭#54994410ad[
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つまり、無限書庫が暇になると歴史が(ry
お久しぶりです。
あれやこれやでちょっと来ていなかった内にSSが沢山。
どれも面白そうで、また時間がある時に読ませて頂こうと思います。
話のと冒頭と最後のトコから察するに、どうやら急な資料請求で休暇が潰れるという事はなさそうでホッとしましたよ。
ソニカさん、絶妙にハッチャケてて良いキャラですねw再登場、楽しみにしてます。
あとグリフォンさんの書く無限書庫のノリも毎度の事ながら大好きです。
さて、ユーノのことですがこの話とか本編だと、なんか自分の用事(考古学方面の資料探しとか)で存分に活用してそうですよね。
少なくともStS時の無限書庫はそんなに忙しいって感じでもなさそうなので、本当に特別な事でもないと辞めるとは思えません。
それに、無限書庫であれこれやってないと何かあった時に、なのは達を助けられるとは思えませんから。
戦略・戦術に関しての能力は、学業に必要な能力とは別物だと思いますし。
実はユーノが使ってる魔法はあんまり有効に攻撃転用出来るとは思ってなかったりします、潜在魔力量の問題もあったり。
それに、何年も居る場所には愛着も湧きそうです。
えっと要約すると、無限書庫はユーノにとっては結構居心地良い場所なんじゃないかと思います、色々な意味で。
と、ここまでが公式から得た印象。
で、二次創作見てる感じだと、何となくでぶらりとあっさり辞めてどっか行っちゃいそうな感じもします。スクライア族の出って事で放浪癖とかもありそうですよ。
何年も抑え続けた放浪癖が遂に……とかどっかで見たような展開なんですけど。
なんか要領得ない上に無駄に長くて申し訳ありません。でも、自分の考えるユーノってこういう感じです。
まあ、自分の持ってる印象と違うユーノってのも、読んでて楽しいんですけどね。
長編っていうのはやっぱりワクワクしてきます。続きも、短編も楽しみに待ってます。
最後に勝手ながら一言だけ、偶にははやての事も思い出してやって下さい
【2008/01/1904:40】||hikouki#5610f4f271[
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