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2007
12,20
00:02
ユノなのSS「穏やかなまどろみの中で」
CATEGORY[【リリなの】ユーなの短編集]
私はスランプなのだろうか、と考える今日この頃(汗
実際に公開したSSの倍の数のボツがあるので、確かにスランプなのは間違いない。
ただ、それでも書けるからスランプと言えるか自信がなくなってきたw
短編路線を堅持してるのも、自分が書けないときは思いっきりかけない点にありますし。
長編だと長続きしないんですよね。なぜか。
愛が足りないんだよ、といわれたら『はい、それまでよ(ぁ』ってことになりますけど
ユノなの、ユノはや、ユノフェイとすべてユーノなわけは、私が彼を好きだからです。
もっと言うと、自分が好きなので背伸びをする男の子であって、司書長か、というとそれはまた別な話。
まあ、司書長なユーノ君も好きですけどね。
っと、それではユノなのSS『穏やかなまどろみの中で』です。
ああ、そうだ、これだけは言っておこう
月村のあの子が出るよ!(ぉぃ
「「休暇申請に来ました!」」
時空管理局・本局総務労務課の窓口案内の人は、さぞかし驚いただろう。
その日は別に平日の午後で、正直労務課のような部署は、中こそ忙しいが、窓口案内が忙しいことなんてそうは無い。
だいたい、5月よりちょっと前のこの時期、まとまった休暇などミッドチルダにはないし(第97管理外世界の島国とは違って)被扶養者が扶養者の休暇申請を代わりにするような時期でもない。
もともと、時空管理局という組織は、休暇がとりづらい職なので、休暇申請も現場で出す場合が多く、こういったところでわざわざ申請する人は、よっぽど休暇がほしい、有給数を多く使った人間か、あるいはまったく使っていない責任者なのだ。
そんなわけで午後のひと時、ぼんやりと窓口業務をしていたところにその声だ。
驚かないで何がある。
しかも、顔を上げてみるとそこにいたのは、管理局でも有数の有名人が二人。
もう、自分がお昼寝まがいのことをしていたことを告げ口されればそのままクビにされそうなぐらいの。
一方は、時空管理局の戦闘技術教導隊(戦技教導隊)の若手ナンバーワンにして、エースオブエースと呼ばれ、先のJS事件でも多くの功績を残している高町なのは一等空尉。
一方は、時空管理局の統合データベース「無限書庫」を整理し、使用可能状態まで持っていった功績から無限書庫初代司書長に上り詰め、管理局有数の権限を持つユーノ・スクライア司書長だった。
ちなみに両方とも、管理局内でも有数の有名人にして、男女別の結婚したい&恋人にしたいランキングの上位にいるような存在だ。実際に窓口係の彼女にしても、こういう人は好かれそう、というイメージを持っていた。
二人して息ぴったりな方たち……と居眠りをしていたくせに入局20年のベテラン窓口は思ったり。
「あ、はい。えっと……高町教導官とスクライア司書長、でよろしいですか?」
「あ、はい。ユーノ君も含めて間違って無いですよ」
って、私が言っちゃうのはダメなのかな?となのはは汗がちょっぴり。
まあ、別に最初からその二人だと分かっていたし、形式的なものだからいいのだが、と窓口係は休暇申請にあわせた局員のデータベース閲覧をする。
休暇を今までとった日数から、申請された休暇が可能か、ということを調べるのが主な理由。
個人情報も多分に含まれているデータベースなので、実はこれ、重要機密データでもある。まあ、彼女にとって見れば単なる局員に見られたくない話まで入っている無駄の多いデータベースだ。
(どれどれ……なに、この二人……)
データベースに書かれている個人情報も凄いものだが
(児童期に二人で1年ほど居住など等……入力したエイミィさんの主観が多分に含まれている)
もっとも凄いのが、有休消化数だ。
局に勤めている年数、そして仕事時間を元に有休は出される。主に入局初年はどれだけ仕事をしても有休数が10を行くことはありえない。10年ぐらい仕事をしていると人によっては有休日数が20以上ある人ももちろんいる。
で、二人の欄。過去10年間の有休使用日数、0日。
(はぁ……?!)
見間違えたかと再び見るが、書いてある日数は変わらない。0日。
そして、同時に有休数は、たまり続けており、なのはで過去十年間の有休日数は約100日。
ユーノにいたっては、何を溜めたか150日以上溜まっている。
もちろん、溜めても来年に繰り越せるような類のものではないが……
「ああ、過去10年間、一度も有休されてません?」
「そういえば、してなかったっけ。って、なのはもなの?」
「うん。だって、有休してまで休みたいときなんてなかったし。ユーノ君も仕事してるから有休とっても……
その、意味無いかなって思ってね」
ユーノ君と一緒じゃないと意味ないもん、と惜しみも無く熱い台詞付きだ。
どうやら、この二人。できてるらしいわね、後でエイミィちゃんに話してみよっと。と仕事中に邪なことを考える窓口係。ちなみにエイミィとは先輩後輩の関係らしい(こっちが先輩)
「そうですか。それで有休使用日数は?」
「「1日で」」
こいつら、二人で休む気かよ、というか一日かよ、と思うのは間違いでは無いだろと必死に自分に言い聞かせている窓口係。
周りで仕事をしている同僚は……なぜか、かわいそうな目で自分を見ている。
そういえば、目の前にいる高町教導官はその教導の容赦なさから「白い悪魔」とか「魔王」なんて裏では呼ばれていることを思い出す。横にいるスクライア司書長は部隊関係は知らないが、事務関係では「管理局運営で怒らせてはならない人ベスト5」に入っている。なんでも、彼の幼馴染の悪口(目の前にいる人+某執務官と某捜査官)を言うと、管理局データベースの一切の一覧ができなくなるとか。
きっと、二人揃ってきた日には、何をやらかしたのか、と同僚だけでなく、近くで歩いている局員すら思っている様子だ。実際には単なる惚気の二人組にしか見えないのが実情だ。
「ああ、はい。今労働組合に申請を……」
申請のメールを送って、1分。やけに早い方だと思って、あけると……
「……それは本当にスクライア司書長と高町教導官か?きっと幻影に違いない……?
あいつらはこっちが散々休暇をとれと叫んでも、一度もとらなかったんだぞ……?」
「……後で労働組合の課長さんとお話してくるね、ユーノ君」
「ああ、それすると可哀想な気がするけど……」
なんだか、今凄く腹黒い言葉が聞こえたような気がしたが、まあ気のせいだろうとなんとか無視する。
こんな体に悪い休暇申請はさっさと終わらせて寝るのに限る(!?)とせっせと申請をする。
というか、労働組合の方は無視しよう。ここで自分がお話されるのも怖いので、とそこら辺はわきまえていた。
「はい。えっと、お二人とも5月5日の月曜日に申請しました。よろしかったですか?
前日の日曜日は、ちょうど戦技教導隊は休日。無限書庫はハラオウン総務官の名前で書庫の管理コンピュータの入れ替えが規定されており、全員休暇のようなのですが……?」
「あ、はい。そこを頼もうと思ってましたから」
「分かりました。それでは、申請しました。これでその日は休暇です。後日に連絡が届くと思いますので」
「ありがとうございました。さあ、ユーノ君。帰ろう♪」
「そうだね、なのは。ああ、でも夕食の材料は買ってるの?」
「あはは、忘れるところだったよー」
……
ちなみに後日「あれがあの二人の親友としての普通らしい」という同僚の意見を聞いて、あれで恋人じゃないのかよと思うことになる。
ちなみに、なのはとユーノが恋人に「なってから」一週間後、恋人関係になってから酷いことに「始めて」二人を恋人と思った人が彼女だったりするが、同僚の話を聞いてエイミィに話すのが遅れ、結果としてなのはたちの知り合いにその話が回ったのはずいぶんと後になったのは、恋人になる前でも、十分に仲の良い関係と思われていたからだろう。
ユノなのSS「穏やかなまどろみの中で」
西暦2015年5月4日 月曜日 みどりの日(新暦76年5月4日 日曜日) 日本 海鳴市
高町家
「綺麗な天気だね、なのはママ」
「そうだね~ヴィヴィオ」
地球とミッドチルダの暦は似ているが微妙に違う。
というよりも、そもそもほぼ似ている暦で、日付にいたっては同じというところは偶然にしては稀に見る一致でもある。考古学者でもあるユーノとしては、そういった多次元間の歴史的一致というのも興味を注がれる分野であるが、まあ今仕事のことを考えるのも野暮だろう。
休みを取って、わざわざこの第97管理外世界、なのはの実家にきたのだから。
目の前では縁側でひなたぼっこをするなのはとヴィヴィオ。
5月というとまだ春なのだが、話によると今年は例年に比べて暖かいそうで、桃子さんあたりは「地球温暖化かしら?」とこの世界特有のエネルギー資源による弊害らしいことを話していた。
どちらにしても、縁側でのんびりしている二人は幸せそうだった。
「あらあら、なのはちゃんとヴィヴィオちゃんは二人でひなたぼっこかしら?」
「ああ、忍さん。どうしたんです?」
「いやね、恭也が士郎おじさんに会いたいっていうから、ついででついてきただけ」
そんな二人を家の中で椅子に座りながら見ていたユーノの前の椅子に座ったのは
月村すずかの姉にして、なのはの兄、高町恭也の彼女である月村忍だった。
確か今年で28、いや29歳だったはずだが、その美貌は未だに衰えを見せていない。
まあ、キッチンで恭也となのはが帰ってきて嬉しそうに料理をしている桃子さんも若々しいままだから実はおかしいことじゃないんじゃ……とこの世界の謎を改めて感じる。実際には彼らが不思議なだけでこの世界全般にそんなことはないのだが。
ついでに言うと、美由希は友人と出かけている。彼氏じゃないのが悲しいところかな。
「そういうユーノ君こそ。ここ10年ばかり会ってなかったけど?なんで突然?」
「ああ、なのはとヴィヴィオが行きたいって言ったんですよ。ここに」
「それだけで、10年間まったくきてない家に来たと?」
「まあ、そうなりますね」
ふ~ん、となにやら好奇心の塊のような目でユーノやなのは、ヴィヴィオを見る忍。
思うが、10年前になのはと一緒に見ていた限りでは、こんなにからかうのが好きそうな性格してたかな、とこれもまたひとつの謎である。
「うーん! 本当に暖かくて寝ちゃいそうだよー」
「なのはもヴィヴィオも、本当に気持ちよさそうだね?」
「ユーノさんも一緒に寝よー」
ごろごろと縁側でなのはと、なのはを枕にする形でヴィヴィオが二人そろって仰向けに寝ている。
本当に気持ちよさそうだ、と微笑むユーノ。実際に眠くなりそうで。
椅子から立って、縁側のほうに向かって。
「うん。本当にいい天気だ」
「でしょ?こんな天気だと眠くなっちゃうよ、ユーノ君」
「そうだねなのは。ヴィヴィオも暖かい?」
「うん!とっても暖かくて眠くなりそ~」
それでも、寝ないで元気そうなところは、ヴィヴィオらしい。
と、ユーノは縁側近くで座ると……
「あらま、これはなんという膝枕。ああ、なのはちゃん顔真っ赤」
「うにゃ!?!?ユ、ユーノ君!?」
「いや、眠たそうだったから枕役でもしようかなって思っただけなんだけど……変だったらやめるけど?」
「そ……そんなこと、ないよ。ありがとう、ユーノ君」
顔を真っ赤にしつつも嬉しそうな風にユーノの膝枕を気持ちよさそうにして。
ゆったりとしているうちに、二人とも眠ってしまったようで。微笑を浮かべて二人を見る。
ヴィヴィオもなのはも、何よりユーノもこの穏やかな日々を悪くないと思えた。自分や目の前でまどろんでいるなのはも、普段は管理局勤め。なのはに至ってはエース・オブ・エースの名前とともに、空では最高峰の能力を持つものだけが所属する戦闘技術教導隊、戦技教導隊に所属しているぐらいだ。
管理局は体面だけは見せかけても、実際には軍事力の行使であることは明確だ。
そんな危険と隣り合わせの組織にいる以上、自分たちのこの幸せが続くか。それが、それだけが心配だった。
「なに、深刻そうな顔してるのかな?
私にもちょっとぐらい話してくれてもいいと思うけど?」
「……忍さん。僕となのはは……」
「それだけ見れば大体わかるかな。うん、10年前の私と恭也を思い出すから」
「はあ、そうですか」
そういえば、10年前から二人は恋人でしたね、と未だに結婚していないらしいことを思い出す。
理由は知らないけど……理由なしで今まで結婚していないような二人ではないと思えた。
「僕、実はこの前なのはに告白されたんですよ」
「ほうほう。まあ、なのはちゃんからって言うところは不思議なような気がしないでもないけど。
で、それなら喜ぶところで悩むところじゃないでしょう?」
「そうかもしれません。実はその告白の数時間前に僕の姉のような存在の方と話してたんです。
10年前は強くなのはが好きだと思えても、10年間も繋がりが薄れるとそれも薄れてたんですけど……」
「人の繋がりなんて、切ってしまおうと思えばすぐ切れてしまうもの。
恭也から聞いてたけど、仕事しているところも部署が大きく違ってほとんど会わないらしいからそうでしょうね」
人の繋がりは風化する。忍だって、10年前と恭也との関係も、いや妹のすずかとの関係すら変わっている。
むしろ、10年間同じ関係を保つことなんてほとんど無理に近い。
この10年で自分の周りも大きく変わって、環境も変われば、自分も相手も変わっていく。
一生同じことはありえないのだ、誰でも。
目の前にいるユーノとなのはも見た目にも中身にも相当変化があったはずだ。
「その姉は、言ったんですよ『あなたは、もっとも大切な原点を忘れている』って」
「原点?」
「ええ。僕が無限書庫に入った理由。いえ、今の自分を決めた原点です」
――原点は単純だった。目の前にいる彼女を助けようと思った、ただそれだけ。いや、彼女を助けようと思った理由は……彼女のことが好きだったから。あの心の底から嬉しくなる笑みが。
「それを思い出した上で、もう一度考えると……やっぱりなのはのこと、好きなんだなって思いました」
「それは私に惚気話を聞かせたいだけかしら?」
なのはが一瞬、ユーノの言葉を聴いて反応したように見えた。
とりあえず、本当になのははユーノの膝で安心しているのか、気持ちよさそうに破顔一笑にも似た笑みを浮かべていることと、ユーノもそんななのはを見て微笑んでいることだろうか。
単に惚気話なら、見ているだけで十分だ、と忍に思わせるには十分だった。
「いや、違いますよ。本当に言いたいのは、とても単純なことなんです。
目の前の彼女が好きだと自覚すればするほど。ほら、危険なことしてほしくないじゃないですか?
なのはは、一度空から落ちてますし……」
「つまりは、無理はしてほしくないと」
ユーノの膝でまどろんでいるなのははとても幸せそうだった。忍にさえそう見えた。
これで一度、魔法とやらを使えるか使えないかという瀬戸際までなったというのだから。
「でも、それを決めるのはなのはちゃん。心配ではあるようね、無理してほしくない。
わかるかな、その気持ち」
「そうですか?」
「恭也も無理する癖があるから。恭也はいつも無理しがち。
あれは一度絶望的なところまで追い詰められないと直らないそうで。
なのはちゃんの話聞くと高町家特有の精神病とすら思えるわ」
「そこまで言います?」
「言う言う。あれで、士郎おじさんあたりも昔は無理して大怪我してたし。高町家は一家そろって無理して……
でもね、私もユーノ君もそうかもしれないけど、そうやってがんばってるその人が好きになったんじゃない?」
忍は恭也との関係を語る上で欠かせない。
彼の本気で、全力を、その目で見た。自分を守るために。だから、自分は彼を信じている。
それは、ユーノだって同じだ。助けてくれて、全力で助けてくれて、そんな彼女だからこそユーノはなのはを好きになったのだ。
「そう……かもしれません。でも、無理してほしくないなんて思うのはなんででしょうね?」
「――全力で燃えるものほど、消えるときは突然なもの。
知ってる?あの天で輝いている太陽はゆっくりと消えるんじゃない。
ゆっくりと大きくなって最後はその大きくなった体ゆえに自分でそれを支えられなくなって一瞬で吹き飛ぶの。
無理をしていれば、いつかは限界を超える。
でも、私たちはそれを知っていても、あの輝き続けている太陽が好きなの」
なのはは星。だけど、星はすべてあの光っている太陽と同系の恒星。
今、なのはと恋人になれた自分にとってなのはは近い、太陽になっているとユーノには言えた。
でも、目の前の彼女がそれを知っているはずも無いのに言って。
それに、その最後を言うと、ずいぶん納得してしまう。本当になのはは星であって、太陽だと。
「難題ですね……そんな太陽みたいな人を好きになっちゃって」
「まあ、太陽だから恋しく思えるわけなんだけど。太陽が輝かなくなったら、それは太陽じゃないから。
といっても輝くかやめるか、それを決めるのもまた、太陽。まあ、なのはちゃん次第と。
ただ、太陽と違って目の前の彼女は、話すことができる。その思いぐらいは伝えることができるでしょう?」
「そうなんですけどね。彼女に空を飛ぶのをやめろ、なんていうつもりは無いんですよ」
「優柔不断ね。まあ、そこがユーノ君のよいところでもあり、欠点でもあるのだろうけど」
「あはは、クロ……親友にも言われますよ」
自分って優柔不断だよなー、がんばってるなのはに惚れたのに、それをやめてほしいとも思って。
でも、本心はそんなものだ。彼女を心配する心に嘘偽りなどまったくない。
目の前でまどろんでいる彼女のことを好きだからこそ。
穏やかな陽気は……本当になのはをヴィヴィオをまどろみの中に包むみたいで……
……いつの間にか、ユーノもそのまどろみの中に落ちていった。
―――――――――――――――
「っと、なにやってるんだ、忍にユーノ……中々に大胆だな、ユーノ」
士郎との話、とやらを終えて居間に戻ってきた恭也が見たのは、寝ているユーノとユーノの膝枕で寝ているなのはと気持ちよさそうになのはに抱きついて寝ているヴィヴィオだった。
横には忍が空を、太陽を見てのんびりしている。のんびりしているところが、忍らしいというかなんと言うか。
「ああ、恭也。どうだったの?」
「まあ、父さんは予想通り「勝手にしろ」と。まあ、呼ぶぐらいはしろよとも言われたが」
「そりゃ、せっかくの恭也との結婚なのに、誰もいなかったら、私は悲しい~」
そう、今日恭也と忍が二人でここに来た理由は、士郎たちに結婚することを伝えるためだった。
士郎は恭也と二人と話したいといって、部屋に閉じこもったので、こうやって忍はのんびりできたわけだ。
もともと桃子は断られても行くつもりだったらしく、話には何も声を出してないのだが。
「それにしても、なのはたちも気持ちよさそうに寝ているな」
「お仕事はとってもハード。
のんびりすることなんて滅多にできなかった二人だもの。そっとしてあげたら?
それに、幸せそうだし」
「そうだなぁ……しかし、ユーノとなのは。二人の関係、こうなると思ってたか?」
「私が?そうねー……月と地球かな?」
はっ?と思いっきり疑問詞を並べる恭也。
忍は、時に難しい喩えを出したり、またあるときはいたずらとその方向性が多方面に及ぶ。大概のことには適応した恭也だったが、今のは予想外だったようだ。
そんな恭也を見て頬を緩む忍。
「なのはちゃんは太陽だ、と実はユーノ君に言ったの。まあ、恭也に似てるって話でね」
「俺にか?まあ……否定できんな。無理ばかりなのはもするから」
「でしょ?でも、こと二人の関係を言うなら、月と地球。なのはちゃんが地球でユーノ君が月ね」
「……そこは女性の神秘の象徴である月がなのはじゃないか、普通?」
でも、こっちの方がなんとなく合うし。と忍は恭也の意見を一括。
今でも、両者の力関係は実際には恭也の方が上のはずなのだが
口論などではまったく忍にかなわない恭也だった。
まあ、確かに髪を伸ばしているユーノは、服装次第では女性に見えなくも無いが……とそこまで思ってやめておく恭也。彼に女装が似合うなんていうようなものだ。可哀想すぎる。
そんなことを恭也が胸のうちに隠したことも知らない忍は話す。
「月と地球は相互に依存している仲。月の質量は、微妙な具合に地球の自転軸の傾きとリンクしていて、月がなくなると地球の気候は大きく変化する。地球にとって月は無くてはならない存在。また、衛星である月は地球がないと困るわ。そんな、互いに互いが必要とするような関係といえばいいかな?」
「互いが互いに……か。確かにユーノに膝枕してもらっているなのはは嬉しそうだが。
でも、なんでそんな風に思ったんだ?」
「ああ、それは簡単。ユーノ君と話していたとき……
ユーノ君はなのはちゃん寝ていると思ってたみたいだけど、おきてたからね。
ユーノ君のなのはちゃんへの思いを聞いていて、なのはちゃんなりに思ったこともあったんでしょうね。ユーノ君が寝てから小さい声だったけど「ありがとう」って声が聞こえたから。
あーあ、ラブラブな二人を見たら恭也と早く結婚したくなっちゃったなー」
あんな甘い空気は久しぶりだったなー、となのはとユーノの間に生まれていた空気を淡々と話す忍だったが、それを10年前に散々振りまいていたのは無視するようだ。彼女らしい行動だが。
恭也は話を一通り聞くとあきれたような表情を浮かべた。
「おいおい……なら、一緒に寝るか?」
「ね、ねるってまさか……」
「残念ながら、そういう意味じゃなくて、一緒に日向で昼寝をだな」
「ああ、わかってるわかってる。どうせそんなことだと思った思った。
でも、さっき桃子さん「まさか恭也の子じゃなくて、なのはの子を先に見るとは」なんていってたけど?」
母さんは……とそういえば、だいぶ前、早く孫を見たいといっていたことを思い出す。
なのはとユーノと一緒にいることが本当に嬉しそうに眠るヴィヴィオ。
確かに三人そろって家族の雰囲気を漂わせている。周りまでこれではほほえましくなってしまう。
「ふう……まあ、いいけどね。お昼寝もたまには?」
「だろ?膝枕してやるから、寝ろ」
「命令されるのはどうかと思うけど……でも、本当に気持ち良いな……
そういえば、昔やったゲームで「地球というゆりかごでまどろむ」とかいう言葉があったけど。
ここで寝てまどろむのは、実家だけにやっぱり気持ちよいものなのかな?」
まどろみなんていうのは緩やかな眠りとかそういった意味だ。
疑問を持つ忍に恭也は一言。
「まあ、とりあえず安心して眠れる。そういうことだろう?
自分が愛している人なら、とかな」
「言っていて恥ずかしくない?特に横で寝ているなのはちゃんたちとか、思いっきりそうなっちゃうけど?
ただ……恭也の膝枕は安心できるけどね」
「恥ずかしいとかだな……兄としては妹の幸せを願うのは当たり前だ。
それに……」
ゆっくりと周りを外を太陽の方を見て。
「穏やかなまどろみの中で忍と一緒にいられることが一番、幸せだ。
ユーノやなのはも、一緒だろうが、愛する人とのんびりできるっていうのは、一番の幸せだぞ?」
……父さんを見ていればわかる。暇があれば今でも母さんとしてるらしいからな」
「それはそれは……でも、そうかもね」
暖かい日差しは、穏やかなまどろみの中で人々を包み込む。
気持ちよい、午後のひと時の中で。
高町家の縁側で、5人の幸せそうな顔が、まどろみの中で生まれていたのだから。
あとがき
とりあえず……
月村と聞いて、すずかを思った人残念でしたーーーwwwww
裏を取って、月村は月村でも、すずかじゃなくて忍のほうでしたーww
いや、意地悪なつくりだと思った。というか、実質上、ユノなのというより、恭也×忍だ、これじゃw
一応、前作「魔法なんて無くてもいいから」の続編的位置です。最初の方は、なんというか二人の管理局での現状を適当に紹介しようかと思いました。なのはさんはともかく、ユーノもそれと無く怖いですがw
今回、ユーノと忍の会話シーンだけはどうしても作りたかった。それだけのためのSSみたいなものです。
一応、StSのSS01(サウンドステージの方)ではドイツに行っている恭也と忍。
結婚しているかは不明なのでしていないとしました。このSSでは結局まもなくする予定ですが(笑
今まで結婚していなかったのは、いろいろきっとあったんです。月村の血の関係できっとw
なのはと恭也は似ている。まあ、そう都築さんが狙ったのでしょうが。
なのはの怪我とかは父の高町士郎のほうかな?あっちは原作では死んでいるのですが。
原作をやったことがない私としては、恭也と忍のしゃべり方がまったくといってよいほどわからなかったのですが、まあ適当に見た二次創作をモデルにしました。すると忍さんのキャラが立つたつw
リリカルなのはでは、聖女というか御しとやかさが全面な忍さんあのにw
なのはと恭也が似たもの同士なら、忍とユーノも、ってことで書いたのがこれだったりします。
もっとも、原作とは大幅に恵まれている忍ですから、それでもっていえる助言です。原作はもっと恵まれてませんからね。まあ、そっちの方がシナリオ的には面白いのでしょうが。
前作ではなのはを「星」と表現しました。今回は具体的に「太陽」です。
前回はなのはとユーノとの距離を示すために使った比喩を今回は、なのはを象徴するものそのものとして使ってみたり。知識は万能的な話を聞く忍さんの豆知識もたぶんに含まれております。
太陽は次第に大きく赤色巨星になっていき、最後には自分の大きさと重量に耐えられなくなって崩壊します。
なのはも、無理すれば太陽のように自分に押しつぶされる(現実でも精神的な意味でも)
まあ、本編の話とリンクできたか怪しいわけですが。
後半で二人と月と地球と表現したのはまあ、想定外というか、勝手に私の想像する忍さんがしゃべってしまったというか。地軸が傾いていてもしっかりとした気候というのが、月のおかげっていうのは事実ですけどね。
後、題名の「穏やかなまどろみの中で」は本編中に多くまどろみという言葉が出ておりますが辞書では
「少しの間うとうとする」と「眠る。熟睡」の両方の意味です。なので、熟睡している人にもまどろみ、していなかった某教導官もまどろみ、と実は曖昧にしたところもあるのですが……
実際に、まどろみ云々は忍じゃないですが、自分が某ゲームをしていたときにでてきた言葉からです。フリー戦略シュミレーションではあれはもっとも面白かったと思う。うん。w
ちなみに5人で寝ているところを最初に見つけるのが、桃子さんか、美由希か、それともパパさんか(ユーなの的な意味で)によって、この話の続きは変わりますwパパさんだとユーノ君のピンチですがw
なお、ユーノの「姉のような方」は次回にでも話そうかなと。ああ、でも私は滅多なことが無い限りはオリキャラ出さない主義ですけどねw
では、感想返答~
>どうも、なのユノサイトを見て回っている螺旋と申します。とりあえず、作者にひとつだけ言っておこう。、、、、、、、、、、、、、、ブラボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
>今回のなのユノ非常によかったです。実際なのははそんな状態になってるのじゃないかとつねづね思っていたので書いていてくれて非常にうれしいです。ちなみに、私はなのユノ派だったのですが、StSのあまりにのユーノ対する対応の悪さに激怒して、完全なユーノ派なんでもになりました。
>サウンドステージ4とか最悪でした。とりあえず、またつぎの作品楽しみにしてます。もし、よろしければこちらもssを書こうとしてますのでよければお読みください。では、ありがとうございました。
螺旋さんお初ですー^^
StSなんて最初から期待してませんでした(ぉぃ) まあ、あれが商業主義の世界さ!w
今回は、ユノなのを語った恭也×忍にも見えなくも無いですが、それなりに伏線も含めて書いてみました。というわけでSSなのに続編書く気満々ですw
SSは期待してますねー^^
>どうも。今回のユーノとなのはとの物語。成程、二人の関係が友達以上恋人未満の関係の理由はそうだったのかと思いました。なのはの鈍感さは何時もの事なのですが・・・。ユーノは本当に早くに大人に成っていたのですね。
>なのはのキャラは皆精神的に大人でしたがユーノやクロノは三人娘よりも先に大人に成っていたんですね。まあフェイトやはやては少し子供化してまた戻ったような感じでしたが・・・。
>それとヴィヴィオはなのはよりかは人の気持ちが分かるんですね。まあヴィヴィオの言葉で気持ちに気付いてやっと結ばれた二人。この後どうなって行くのか?まあ自分としてはユーノとはやてですが・・・。では。
セブンウィンズさん、感想ありがとーです。
まあ、ユーノも大してなのはと変わっていない、というのが今回の内容(ぁ
ユーノ疑惑「姉のような方」の助言がもしなかれば、あの告白は失敗に終わっていた可能性があります。
それと、ヴィヴィオは小さいころのなのはの代弁者。大きくなって変わってしまったなのはに対するアンチテーゼ的な意味もあります。ユノはやは……気分が乗らないんです。ごめんなさい(ペコリ
……自分って相当気分やですね、これはw
>はじめまして、上条厚狭と申します。
>ユーノとのカップリング小説を探していたら、ここへと辿り着きました。今までにも何度か見させていただいていたのですが、今回初めてコメントをしてみます。
>ユノなのとは正統派ですね。大好きです。ユーノは良くも悪くも幼馴染勢の中で最も大人なんですよね。自分のするべきことをきちんと知っていて、それを確実にこなしていく。そこに疑問はないけれど、心の奥底では押さえ難い欲求があって、でも、表に出すことはしない。皆に心配させたくないから。だから、自分にも大丈夫だと言い聞かせて、そう思い込む。こんなところでしょうか。で、なのはは気付かない。彼女の中では、きっとユーノは昔のままだったんでしょうね。だから、ヴィヴィオに言われるまで考えもしなかった、と。気付いてからのなのはさんの思考。その後の持ち前の行動力。どちらもとても良かったです。良質なユノなの分が補充できました。私もこういうのが書きたいなぁ。
>初めてなのに長々と失礼しました。これからも期待しております。
>ちなみに私は“ユーノ×”となっていれば、ゲンヤまではイケる節操無しです。
はじめまして、厚狭さん。
感想ありがとうございます。今回のSSはその後日談です。ユーノは大人というよりも、精神的に大人になろうと背伸びしている男の子のまま大人になってしまったような感じです。もともと、彼はそういう意味では大人びているので。
ヴィヴィオは、いつまでもロリ、もとい可愛い子代表として、なのユーの不可欠要素であってもらいます(笑
今回は、なのユーの比率よりも、なのユーの関係を語る恭也と忍ですけど、読んでいただけると光栄です。
なお、私はユーノ×レジアスぐらいまでは・・・・・・(実際にはユーエリぐらいですかねw)
>前回のユノ×はやもよかったけど、今回のも良かったです。
>ヴィヴィオが天然キューピットみたいな役割とかありそうでいいです。
>アニメのStSはなんといっても熱血バトル魔法アクションアニメですから(笑)
>でわこれからもユノ×なのに期待しつつ・・・
白ぅ神さんありがとーです
ヴィヴィオは、そりゃもう恭也と忍の関係を知っていたなのはみたいに、二人の関係を知って……ませんけどね(ぁ)知ってたら、今頃「ユーノパパ」と呼んでるでしょう。というか、このSS、ヴィヴィオは一貫してユーノのことを「ユーノさん」で通してます。いろいろとすぐにユーノパパ言われると話として面白みにかけるのでw
それと、このSSは熱血バトル魔法アクションアニメの要素なんてほとんど無いです(ぁ
悪魔もネタ以上に行かないでしょうし。SSでバトルが書きづらいっていうのもあるわけですが。
それでは、次回は……私の気分次第です、ごめんなさい(汗
http://
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最新話の感想!!
今回は間接方のユーノ×なのは。まあ良いと思います。でも今回は恭也×忍ですね。ユーノとなのはの関係をや距離感を例えた。今後の二人はどうなって行くのか?そういえばユーノ×フェイトも偶には書いて下さい。では。
【2007/12/2310:06】||セブンウィンズ#2aa022e1cc[
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はじめまして
はじめまして、bookwormと申します。本日、初めてここを訪れました。
自分もユーノ×三人娘が大好きなので、随分と堪能させていただきました。文章を書くのは苦手なので、あまりコメントは出来ませんが、これからも楽しみにしておりますので頑張ってください。
追伸
『司書長の花嫁探し』シリーズの最初の方を探しているのですが、見つかりません。どこにあるのでしょうか?
【2007/12/2523:55】||bookworm#990d88a09b[
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