[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
-0-
現時点、機動六課解消とほぼ時の同じくしていた時空管理局無限書庫では、特に問題たる問題は無く業務を遂行していた。 もちろん、追加で来る資料依頼もあり、数年前から変わらず人材不足な感じは絶えない。 とはいっても、かつてのように「仕事で死にそう」なんていう自体からは程遠く そこそこ休暇を取れるぐらいには安定している。 司書たちの仕事環境もだいぶ改善しており、無限書庫内でも、そこそこアットホームというか 温かい空気というか、そういった仕事場らしからぬ空気が充満しており、一つのコミュニティとして穏やかな時間を刻んでいた。
このように、管理局最大の仕事量と称されていた無限書庫がある程度の秩序を持っている事実は ユーノ・スクライア司書長にとって、自分の趣味である考古学に時間を分けれるということであり 司書長室でユーノは書庫からアルフに資料を集めてもらい熱心に調査していた。
実際、ユーノとアルフの二人連携作業は無限書庫で知らないものはいない というぐらいのスピードであり、書庫初期に某ハラオウン執務官(現在は提督)が無理難題なほどの資料を要求してきたときにわずか3日で集めたと半ば伝説と化している。
そんなわけで、資料を元に古代ミッドチルダやベルカについての論文をまとめるのにユーノは苦心していた。 資料を保管しているのがなにぶん、ミッドチルダが作り出した無限書庫なので ミッドと対立していたベルカに関する資料は古代以降の現代・近代に限られていたからだ。
実は、一度聖王協会に資料請求をしていたのだが、結果は「極秘事項につき閲覧できません」という言葉だけ。 よくある話だが、研究者というのはそういわれると余計に知りたくなる。 知りたい心こそが学者や研究者の根本にあるとはいうが、それは逆に病気みたいなものだ。 何かの真実を知るために人生すべてを捨ててしまい、結果自殺してしまう学者すら世界にはいる。
そうやって調べていることが楽しいと感じつつ、同時に苦痛でもあるのだから研究者というのは不幸な職だ。 支えてくれる人が一人二人いてくれればそれだけでも大きく違うのかもしれない。 まあ、例えば……
「ユーノパパ、はい♪」
聖王系の魔法学院に通いつつ、なのはが仕事でいない時に 無限書庫に来て本を見たりお手伝いをしているヴィヴィオだったりする。 ユーノは手を伸ばしてヴィヴィオが持ってきてくれた本を受け取った。 しばらく本に読書魔法を使って速読して内容を調べると、そのまま飛行魔法を行使して元あるところまで戻す。
「ありがとうヴィヴィオ♪」
特に目立った情報は無かったがそれでもここ数日、毎日イライラばかり募っていてアルフに気を使わせていたぐらい精神的に参っていたユーノとしては、ヴィヴィオの笑顔は相当助けられたようだった。 ……なんと言うか、親でもないのに親バカだった。
書庫ではユーノとお手伝いとお勉強のために無限書庫にある本を読んでいるヴィヴィオ。 無限書庫の本に絵本があることを今頃になって知ったユーノだったが ヴィヴィオが読むのはそれだけに終わらなかった。 なのはのように魔道師になりたいらしいヴィヴィオは魔法系の本も少しずつ読んでいた。 学校で教えるレベルと比較すれば明らかに高レベルのはずなのにちゃんと納得しているあたり さすが聖王の血を引き継ぐものなのかもしれない。 ……なのはの娘だからかもしれないが。
「ユーノパパ、あの青い綺麗な石って何?」
さて、その日ユーノを手伝っていたアルフとヴィヴィオだったのだが、小休憩のとき話題は少しずれた話になった。 いつもは完全に仕事関係のものだけを置いているユーノの机に 青い綺麗な宝石が一つ置かれていてヴィヴィオが凄く興味を示していたためだ。 まさか、ユーノもそれが後々にちょっとした事件を起こすとは思ってなかった。
「ああ、あれは……アルフも知ってると思うよ、あれはね。 うーん。ある意味、僕とヴィヴィオのママたちを繋いだ石って言うのかな?」
「フェイトママとなのはママを……?」
「ああ、あれかユーノ。そういやこんな石だったねぇ…」
ヴィヴィオはさっぱりな顔して……アルフは何とも懐かしそうにその石を眺める。 青く光る石。綺麗なその色はヴィヴィオの二つの瞳をまるで吸い込むように独特な光を放っていた。
(吸い込まれそう………)
魔性の光にも神秘的な光にも似た光は、ヴィヴィオの心を掴んで離さない。 これにヴィヴィオの大切な二人のママの思い出が詰まっていると聞けばさらに。
「それはジュエルシードっていうロストロギア。 そこにあるのは外部魔力封印をして暴走しないようにした奴なんだよ、ヴィヴィオ。 JS事件以降、外部流出を恐れた管理局が12個あったジュエルシードのうち10個が虚数空間で処理したらしくてね、残り二つを何十もの外部魔法封印で封印して 一個が保管庫に、もうひとつを発掘者にってことで僕のところに来たんだけど……」
「よくこんな危険なもんを、管理局は発掘者と言う理由だけでユーノに渡したもんだよ」
「まあ、アルフのいう通りかもね。僕も処理に困って困って…… いくら封印してあるといっても使おうと思えばある程度の能力は生きたままだから 持ち主の願いに一定のベクトルを与えて願いを適え……」
「ええ!?その綺麗な石、お願いかなえてくれるの!?」
目の前にある石が、俄然神秘的に見えるヴィヴィオ。 綺麗な光を放つだけでなく、願いまでかなえてくれる魔法の石となれば、さらにヴィヴィオの興味は湧いた。
「うーん。魔法で厳重に封印してからほとんどお守り程度だと思うけどね」
「世界一純度の高い魔力結晶で出来たお守りって、私は怖くてつけたくないけどなー」
ジュエルシードは純魔力結晶体。その純度、99.99989%はミッドチルダにあるどの魔力結晶体をも越える。 この純度に匹敵する魔力の集合体はリンカーコアしかないほど、世界一の魔力結晶なのだ。
ちなみにベルカにおいてはロストロギア「レリック」がこれよりも低いながら97.9759%という純度を誇っているが魔力の発生原理が違うので 使用時にはジュエルシードよりレリックの方が魔力は高かったりする。 技術大国ベルカの技術力が、自然能力を超えた魔力発生をさせた、というところだろうか。 とにもかくにも、余計にヴィヴィオはその青い石を見つめる。
「凄いんだね~この石~」
「そうだね。あ、封印処理してあるから持っても大丈夫だよ、ヴィヴィオ……っと、はい♪」
机においてあったジュエルシードは薄光しつつ、ユーノがそれを取りちょっとだけ魔力を入れる。 封印のため、魔力が発生することはなく、ただユーノの魔力光にあわせてジュエルシードが反応して 色強く翠と蒼が反応して互いの色が互いの色と干渉しあう。
そんなジュエルシードをユーノがゆっくりとヴィヴィオの手元に回した。 とそれを見ていたアルフは良いことを思いついたというような顔を…… ニヤっとした、とても楽しんでいるような顔をした。
「どうせ封印されているんだから、ヴィヴィオも願い事の一つぐらいやってみたらどうだい? もしかしたら適うかもしれないしさ」
「うん!やってみる!」
あのね、と一応ユーノが静止をしたが、まあ封印されているからという安心感からか あまりその注意は強いものではなかった。 実際に、ジュエルシードを持ったヴィヴィオはとっても良い笑顔で、ユーノも心が癒される、と笑顔だった。 ヴィヴィオの笑顔恐るべしである。
(えっと、えっと……ヴィヴィオのお願いは……お願いは……)
一方、ヴィヴィオの方も必至に願い事を考え始めていた。 「やってみないとわからない」なのはのよく言う言葉をなんとなく違った意味でヴィヴィオは捉えているようだった。 それでも、綺麗な光を放つジュエルシードを手に強く握って考える。
(ヴィヴィオは今とっても幸せで……なのはママやフェイトママもいるし、ユーノパパやアルフもいるし……)
(だから……なのはママやフェイトママやユーノパパのお手伝いをもっとしたい…… うん!ヴィヴィオはもっとお手伝いがしたい!)
――それが、物質的な意味を伴う願いなら ――外部魔法封印のいうところの「魔力解放」を封印されたジュエルシードは何も出来なかっただろう ――しかし、ヴィヴィオが願ったのは至極内面的な形を問わない思いで ――かつ彼女は聖王の資格もあるほどの秘められた力を持つ子だった。
不幸か幸か、ユーノたちがそれをまったく考慮に入れなかったのが悪いのか(汗
「あ、あれ!?綺麗な石さんが光った!?」
ピカッ、とそれだけならユーノもアルフも驚かない。 しかし、ヴィヴィオがそういったときに出ていた光はそんなレベルじゃなかった。 明らかにジュエルシードは発動し、その魔力光が辺りに降りかかり始め ヴィヴィオの姿は既に見えなかったのだから。
おいおいおい…… 完全に封印できてるとバカ(某提督)は言ってたくせにできてないぞ!? 、と心のうちで実は思うユーノはあまりにも突然すぎて唖然としていた。
「ユ、ユーノ!一応、この光は魔力じゃない!封印自体は成功しているみたいだよ!」
「あ、アルフ!?」
子供形態のまま、魔力制限を解除したアルフがユーノの横につく。 ユーノもバリアジャケットを久しぶりに装着してとりあえず光が収まるのを待った。 光だけなら良いんだけど……と思うユーノとアルフだったが……
どうやら、世の中はそう簡単じゃないらしい。
光が収まって二人が見たのは……
「あ、あれ……? ヴィヴィオまた大きくなってる……?」
そこにあったのは黒いゴシック・ロリータな服装に身を包み、レイジングハートに似た中心部のコアが青いデバイスを持った……聖王状態の……成長したヴィヴィオだったのだから。
不定期短編集 魔法少女リリカルヴィヴィオなの~(仮) プロローグ 「やっぱり始まりはジュエルシードなの~♪」 あとがきという名前の弁明(汗 やっちゃったZE!(汗 一応やるつもりはなかった。というか、最初の時点ではこれはやユーのSSだった(ぁ それが多少歪曲を経て、結果はこれだ。 なんというカオス! 魔法少女カオスなヴィヴィオで良いぐらいだ(ぉぃ なお、なぜここまで来て題名が(仮)なのか言えば どこかで同題名のSSを見たような気がしないでもないからだったり(汗 リリカルな部分だけ変えたいが、良いのが見つからないーw まあ、完全不定期短編ですのであまり話しの結合部とか気にしちゃだめ! 私がSS執筆に気が乗るように書いてる妄想なので(汗 ちなみに、ここでいうジュエルシードなどの設定はすべてオリジナルです。純魔力結晶とか知らんw 後は一応、ユーノは誰ともフラグ上げに成功していません(ギャルゲーいうなーw) 勢いに任せて書いたけど、感想は欲しかったり。正直、こんなSSに需要があるか不思議なので(笑