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無限書庫は、そのスペースもさることながら、古今東西のあらゆる書物を網羅した書庫だ。 そのレベルは、第97管理外世界のWikipediaにも似た万能かつなんでもある状態となっている。 それこそ、誰かの日記や、並列宇宙の内容を書いた伝承まであるのだから、その量はそれこそ 無限書庫、という名に恥じない「無限」といえるほどだった。
さて、この無限書庫を治める時空管理局無限書庫司書長―ユーノ・スクライア―は 当然ながら、その無限たる書物を瞬時に区分けし、データベース化していく。 それこそが、彼が司書長としてこの書庫に君臨し、しいては管理局でも有数の給料額とそれに反比例する非有給消化数を、どちらも管理局ベスト10ぐらいに入れるぐらいには持っているわけなのだが…
そんなわけでユーノ・スクライアの管理局地位もまた、ベスト10とは言わないが、下手な提督よりは上である。 総務統括官であるリンディ・ハラオウンや次元潜行部隊の指揮を執るクロノ・ハラオウンより、一見下の地位と思われがちで、実際に管理局の指揮系統でも上ではあるものの、彼らより下なのが事実だ。 だが、それが=で現実のはずがなく、実際には管理局情報本部(本局・地上本部関係なく最高司令部直轄)の本部長とほぼ同等の地位があるのは、公然の秘密みたいなものである。
情報を司るというのは、結局、管理局の機密情報のほぼすべてを知る、ということと同義だ。 もちろん、スカリエッティなど、例外はあるものの、管理局の弱みを握ってる人を出せ、といわれれば とりあえず、管理局情報本部長と、無限書庫司書長、というのはあながち嘘じゃない。
で、何が言いたいかというと…
「お客さん?」
一応、管理局の弱みを握っている男こと、ユーノは書物整理を一通り終えて、休憩を取っていると 子供形態、というべきか、それともロリ形態というべきか、正直悩む、アルフが司書長室に入ってきて言ったのがさっきの言葉だ。
「うん。なんでも、ユーノとは知り合いらしいけど…」
「うーん。知り合いか…でもアルフが知らない人なんて、スクライア関係しかないと思うんだけど…」
「でも、その人、どう見ても管理局でもお偉いさんみたいな、そうそう!リンディ母さんみたいな服と階級章をつけてたぞ?」
「リンディさん?となると、管理局中央…いたかな、そんな知り合い?」
ユーノの頭の中では、スーパーコンピュータもびっくりなスピードで検索がされた、が結局検索に引っかかる人物は無し。分からないが、待たせるのなんだから、と人付き合いがお節介というほど優しいユーノは考えるとアルフにとりあえず入ってもらうことにした。 顔を見れば、ここ数年、書庫で仕事ばかりして外との接触が極端に少ないユーノも誰か分かるだろう、と思ったからであったが、入ってきた人は…あらゆる意味でユーノにとっては想定外な人だった。
「お久しぶり~ユーノちゃん~」
入ってきた人は、一見20代中間ぐらいの印象を受けた。 まあ、どう見てもそれはユーノより年上な感じだ。アルフもユーノより年上だということは見たときから思っていたが、入った第一声がちゃん付けだったため、ど、どういう関係なんだろう・・・とちょっとした好奇心が沸くことになった。 一応、ユーノを狙ってる、という三人組(某六課隊長、執務官、戦技教導官)の一人の使い魔なので、そこら辺の好奇心は捨てきれないようだ(ぁ もっとも、一番驚いているのが、横にいたユーノだったりする。 よく見れば、あいた口はふさがらず、足は微妙に震えている。深刻なのが顔で、それはもうありえない、といった顔だった。それもそのはず、ユーノだって聞いてないのだ。
『彼女』が管理局でその服と階級章をつけるような地位にいるなど。
「時空管理局・司令部直轄、情報本部本部長、リアラ・スクライア少将、ここになぜか来ちゃいました♪ユーノちゃん~♪」
一瞬、空気がすべて一酸化炭素になったかのように息ができない錯覚にユーノは襲われた。 リアラ・スクライア…一件検索発見、とユーノの脳内データベースでは意外とあっさりその名前は出てきていた。いや、それはよいのだが……
「…って、リアラ姉さん!?!?」
「…いや、それ以外にユーノちゃんには同姓同名の知り合いでもいる?」
「いや、いないけどさ。って、なんでその服、というか管理局情報本部長って何さ!」
「まあまあ。私が管理局に入局したのはユーノちゃんが8歳のときで、覚えてるでしょ?まあ、それから多少色々あって今ではこの通りと…ああ、アルフちゃんだっけ?」
と、ユーノに言うべきはとりあえずこれだけ、とみなしたのか彼女、リアラは目標をユーノからアルフへと変えた。アルフもアルフでどう返事すればよいのか困ったのだが、
あいにくユーノは半分意識がどこかに飛んでいるようだった。彼にしては非常に珍しい状態なのは言うまでも無い。
「えっと・・・そーだけど、なんで私の名前を?というか、ユーノとの関係は?」
「あなたの名前は別に知っててもおかしくないでしょう?司書長の大切な補佐役って聞いてるからね。ユーノちゃんとの関係は…そーねー、小さい頃オムツを替えてあげたぐらいの関係よ?」
「お、オムツ?」
「…はっ! 何をボクは…そうだったそうだった。リアラ姉さんがいきなり来たんだっけ」
ああなるほど、とアルフは大体を察した。 ユーノは孤児という話を昔聞いていたこと、スクライアは部族名であること。それらを考えれば察しはつく。つまりは…
「ああ、アルフ。まあ想像の通りだけど、彼女…リアラ・スクライアは僕の姉さんみたいなもんだよ。みたいな」
「みたいなって…一応、今でも姉さんを自称しちゃうけど?ユーノちゃん?」
「してもいいけど、僕は否定するよ。というか、仕事場に現れていきなり言うのがそれ… まあいいけどさ。アルフ、今日の予定は一応全部消化し終えてるよね?」
「えっと…さっきので最後だったみたいで、もう新しいのは明日だ」
ウインドウを一通りチェックして、残りはないか調べる。もちろん、そんなものはなく まあ、だいたいユーノも仕事をしてるときの緊張感もすべて捨てて…捨ててよいのか不思議ではあるが… 素の状態で、一応姉といえなくもない見掛けは20代半ばの女性の方を向きなおす。言うまでも無いが、女性はリアラである。
「姉さんは来ると必ず、夕食を食べながら話でもしない? が定例だったよね?」
「あ、バレバレか。まあそうなんだけど…まあ、いいか。で、どこで食べる?」
「管理局中央食堂でいいでしょ。もう午後11時だからね。本局から転送ポート使って時間無駄にしたくないし。アルフはどうする?」
どうする、といわれても困るのはアルフ。話はなんともハイスピードに飛ばされているわけで。 帰ること二でも使用かな、とは思っているが、これはこれで面白い話が聞けそうなのも事実。だが…
「まあ、今日は疲れたから早めに帰るよ」
「そう?じゃ、ありがとう。おつかれさま」
といいながら、フェイトにこの事態を伝える気満々のアルフであったのはいうまでもない(汗
午後11時30分ともなれば、地上本部は夜勤部隊が待機し、局内の人口は日中の半分にまで減るが、それは地上本部の話。本局、つまりは時空世界に浮かぶ中央は、日中だろうが夜だろうが関係なく、交代で常時定数以上の人間が仕事をしている。 ここ、管理局中央食堂もその一つであり、日中と変わらず、人があふれており、局員の憩いの場となっているのだが…
そのとき、中央食堂は異質な空気が流れていた。 管理局の秘密を知る、という二人がなにやら普通に、この中央食堂で食事をとっていれば、驚かないでいるはずがない。 一方は、管理局の影の司令部などの比喩される管理局情報本部の本部長。一方は、管理局すべての書類に目を通してるのでないか、などと明らかな過大評価とともに、なぜか
軍隊に近い組織なのに「結婚したい男ランキング」の広報で毎回ベスト5に入る無限書庫司書長。
一応、この食堂は誰でも使える食堂だが、通常は階級が下の方が使うのが一般的で、佐官クラスが使っていると気を使う、などと言われるような空間だ。 そこに将官クラスにそれに順ずる人がいれば、もう気が気でない。とても憩いの場、などと言えるような空間ではなくなっていた。
もっとも、外見はそんなことには左右されない開放的な食堂なのと、そもそも本局の所属なのに食堂など滅多に使わない二人からすれば、それが普通なのだ、と思ってしまうところ、仕方ないといえばそれまでだが、なんというか…どこまでも自分の地位が分かってないスクライア姉弟である。
そして、そこにいた局員はすべて彼らの会話に耳を研ぎ澄ませていた。なんせ、秘密を知るといわれている二人の会話など滅多にどころかこれから聞けるかもわからないものだ… ちょっぴりゴシップ好きな管理局な気がしないでもないが(汗
「で、姉さん…やめとこう。リアラがわざわざ僕に何の用?」
「いやね、ユーノの花嫁候補の話を小耳に挟んで」
…その言葉で、なぜか食堂が少し騒いだのは言うまでも無い。 「司書長の嫁!?」「司書長の嫁は悪魔だろ!」「いや、嫁はハラオウン執務官だろうが!」「いやいや、狸という名を持つ八神部隊長だろう!」「いや、そもそも司書長はクロノ提督の嫁だろうが!(!?)」「何を言ってる!司書長は俺の嫁だ!」「いや、残念だが俺の嫁だ」「ふざけるな!俺の嫁以外にありえん」などと脱線気味の会話が周りで細々とされるが、もちろんユーノたちが知る良しは無い。
「花嫁候補って…一応、僕お見合いすらしてないんだけど?」
「そりゃ、私がすべて止めてるもん」
「…何か変なこと言ってた気がするけど、まあ勘違いだと願うよ、うん」
というか、一応姉みたいな存在は、いつの間にか凄く偉い人になったものだ。とユーノは… 一応、自分と地位は大して変わらないにも関わらず、姉を微妙に尊敬した(ぁ
「ところが、先日。局員が「司書長は誰の嫁かトトカルチョ」をしててね。ああ、あれはクラウディアのクルーと艦長だったかしら…?」
あのシスコン提督め、やけにこの頃話題に結婚話題が多くてしつこいと思ったら、裏でトトカルチョしてやがったな、と心の中で明日からクラウディア艦長からの資料要求はできるだけ拒否しよう、と心から感じるユーノだった。ただ、なんで誰の嫁なのかだけは直接問いたださなければならないだろう。断じて、自分は女などではない。 というか、その中に自分の妹がいるのに良いのだろうか?
「ああ、そういえば「下手な馬の骨より、まだエロフェレットの方が妹の婿には納得できる」とか誰かが言ってたような…」
「あいつ…で、まさかそれだけでここに来たの?」
「いえいえ。その後、情報本部に帰ったら、そこでも同じようなことが…ありゃ、管理局全体でやってるわね。うん」
おい、とユーノは思わず突っ込みたくなった。 なお、管理局全体といってもその三人に投資した人は全体の4割程度で、後はユーノは男なのに「ユーノは俺の嫁」などという投票が多かったらしく、それを聞いた地上本部
の首都防衛隊司令が「アホども!ユーノ君は私の嫁だ!何をいっとる!だから、機動六課は嫌いなのだ!ユーノ君の独り占めなど許さん!」といっていたというがさだかではない。 その制裁かは知らないが、管理局の資金運用部が絶望的な資金不足になっている、ともいわれている。
「で、本命は誰かと…全資金をその本命に入れれば、トトカルチョで勝ったも同然だし」
「って、金儲けかい。というか、そこまで偉いならお金にはそこそこ困らない生活してるでしょ?」
「ああ、それはそうなんだけど。お金はあって困るものじゃないわよ。無いと困るけど。 それに私は一族への支援金もまわさないといけないからね。一生、発掘の方にはもう行かないだろうから、せめてもの…と思って」
「それはいいですけど、それが僕の結婚相手トトカルチョの配当金っていうのはやめてほしいような…」
「まあまあ。で、小耳に挟んだので、個々に来たんだけど。 高町なのは戦技教導官か、フェイト・T・ハラオウン執務官か、それとも八神はやて機動六課部隊長か。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰?」
直球だ。というか、なぜその三人なのか、マジでユーノは理解できなかった(汗 三人とも、ユーノにそれなりのアタックをかけているのだが、9歳から書庫勤務で思春期してないユーノにはまったく分からなかったらしい。なんというか、恐ろしいまでの鈍さである。
「誰って…そもそも、なんでその三人なの?」
「いや、情報部を色々と走らせてユーノちゃんのことが好きかつ身近に人間を2ヶ月ほど身辺調査させただけ…まあ、5名ほど殉職……もとい、怪我をした人がいるけど…」
「じゅ、殉職って…」
「具体的には一名ディバインバスター、一名トライデントスマッシャー、三名がラグナロク・ブレーカーで… 一応、AAAランク魔道師だったんだけど…ランク制限解除してる彼女たちにはかなわなかったというか…」
ユーノどころか、その言葉を片耳で聴いていた局員全員呆然である。 ここ数日で管理局内部で大爆発が連続してるという事件を思い出した局員は、妙に納得した顔をしていた。 あまり納得してほしくない事例といえるが。
「とりあえず、その三人があなたに恋心を抱いてるのは間違えないわ。命と引き換えに部下が告白する練習の録音を送ってきたから」
「…マジですか?」
正直、そこまで言われると照れるユーノだが、姉の性格の捻くれさと同時にやっぱり、そこまで愛される理由が浮かばないユーノである。
「マジだけど、ここには持ってきてないわ。正直、6名目の殉職者にはなりたくない」
SS+ランクの認定を受けた、スクライア一族史上類を見ない奇才(字の通り)のリアラだが、それでも負かせる三人組。すでに人外の領域と思わせる空気だ。
「で、誰かなぁ…と。でも、それじゃああまり期待できる返事はなさそうね」
「まあね…好きという気持ちがイマイチ分からなくてね」
「なるほど…こう、どきどきワクワク感が知らないと。ふむふむ…」
「いや、ふむふむしないでいいよ」
なにがふむふむなのか、そもそも、なんでいきなりどきどきワクワクか、まるでわからない局員たち。 ただ、姉さんと呼ぶだけあって、ユーノは分かるようで、呆れたようなあきらめたような顔をしていた。 いや、どういう顔か問われると困るのだが。
「まあ、ユーノちゃんが誰と結ばれようが、私を倒せない人には渡さないから安心して。三人ならまだしも、一人なら例え狸の六課部隊長でもクラスレベルで上だから安易に
負ける気はしないわ」
「安心というか、本局か吹き飛ばないか怖いというか…」
SSクラスとSS+クラス魔道師の戦いなど、すでに怪物同士の戦いに等しい。 砲撃の打ち合いになれば、近くの次元潜行船もタダじゃすまないようなレベルなのが、SSクラスなのだ。
「安心できないかぁ……まあ、とにかくユーノは誰が好きなのかイマイチ分からないと…… そりゃ、あの書庫で10年近く勤めていたら……っと、それでユーノが誰が好きなのか聞きたかったわけなんだが……そうくるかぁ…… とりあえず、機動六課勤務でもしてみる?」
「……まず書庫の管理、次になんでそうなるか、聞いてもいい?」
姉の突発的な行動には慣れていたが、いきなり話が飛躍していた。 というか、なぜ自分が好きな人が分からないからって勤務先が六課なのか聞きたいと思った。 それに対して、姉からちゃんとした説明が聞けるか不思議ではあったがこれはとりあえず聞いておかないといけないと思ったらしい。
「書庫管理に関しては、司書長代理をこっちから出すわ。 情報管理のスペシャリスト。ユーノに勝らずとも劣らずの子よ?男の子なのに女の子な外見まで」 「あ、あのね……女の子みたいとか本人の前で言わないでよ。せめて、こう中性的なって感じぐらいで…」 「次に機動六課関係だけど……」 ユーノの言葉は無視だった。ただ、無視だった。 沈黙も力だ、とはいうが、本当に沈黙以前に姉は無視だった。というか、訂正する必要性をまったく感じていないような笑顔だった。 「とりあえず、ユーノのことを好きと思われる三人の所属だから問題ないかなっと? 実際には、管理局本局としても機動六課のこのところのレリック事件と1週間後に予定している公開意見陳述会に並々ならぬ関心を抱いているからなんだけど」
「管理局本局?」
「そう。公開意見陳述会はそもそも管理局地上本部の予算に関する会議よ。それゆえに本局は基本的に手をつけられない。だから本局直属かつ地上本部、つまりは陸士部隊でもある機動六課は公開意見陳述会の護衛もレリック事件と聖王教会系の予言とやらから関連付けて行うらしいけどね」
なのはもフェイトもはやても、機動六課はレリック事件に関して、力を入れているのはなのはとのほぼ毎日のメールやフェイトやはやてと本局で時々話したりするときの内容から理解していた。
が、姉がなぜそんな六課のことを知ってるのやら。
一個部隊にしてはランク制限もあって、数が少ない機動六課、だからこそ隊長陣が悩むのは人材不足。 久しぶりにあったのに話すとやっぱり「人が足りない人が足りない」言っていた某部隊長、もといはやてを思い出すユーノだった。 周りの職員もなにやらシリアスな空気に聞き耳を立て……何をやっているのか、法の守護者。
「そういえば人材不足とか言ってたっけ……」
「そう。でも、本局としては戦力は温存してほしいというのが現実問題でね。 そういうわけで、さっき八神部隊長に「地上本部の意見陳述会の出席および護衛の中止勧告」を出してきたけど却下されたわ。 まあ、地上本部が予言をまったく信じないなら、あっちは迷信的なまでに信じているというか…… だいたい、もし予言どおりなら、その危険な場所に戦力集中することになるじゃない? えっと、なんだっけ、あの予言…」
「『旧い結晶と無限の欲望が交わる地 死せる王の下、聖地より彼の翼が蘇る 使者達は踊り、中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち それを先駆けに数多の海を守る法の船は砕け落ちる』だ よ、リアラ。というか、姉さん、勧告してきた割には覚えていないって…」 というか、その予言は管理局中央の一部が耳にする内容であって、お世辞にもここで、食堂で言うことではないのだが、リアラはまったく忘れていた。ユーノは言ってから思い出してどうしようかと不安になり近くのそういう聞き耳を立てていた局員を気にしてみると…… 「おいおい、今、スクライア司書長なに言った!?」 「いや、おれ難しい言葉だめだからさ?」 「えっと……すまん、俺、記憶障害に…」 ……あまり気にすることは無いようだった。というか、こんなのが局員でよいのか、管理局? 「ああ、それそれ。事前の予防策としてミッドチルダ地域にL級、およびXV級艦を2隻から3隻程度待機させることを決定したわ。 ただし、待機してるところに壊滅させられたら困るからミッドの隣接世界に待機させることにしているけど。 とにかく、予言をすべて信じるわけに行かないが、一応策は立てないといけない。本局中央の意見はそんな感じ。 で、何でそこでユーノが六課に、という話だけど、六課は見ての通り人材不足。 急速な戦力追加が必要だけど、八神部隊長疑惑「本局部隊の投入は地上本部の警戒心を強めるだけです」という話から不可能」
「……で、一応民間人待遇の僕に臨時として行けと?」
理解は出来る。自分は時空管理局中核にいるのに殊遇は民間人となっている。 だから、民間人を機動六課に送ったとしても怪しまれることは薄い。 確かに本局無限書庫司書長ということから怪しまれる可能性が無いとは言わないが、武装隊を送るより遥かに怪しまれない。 何より、一応総合Aランク、防御魔法AAAランクを持っているから、それなりにはできるという自信はある。 あくまでもそれなりなのがユーノらしいところだったりするが。
「まあ、民間人でしかも学者なユーノを送るぐらいじゃさすがの地上本部も怒らないでしょう? でも、一応地上本部への誤魔化しで、ユーノは姉に結婚して来い、ということで押し付けられて……って段取りだから。 ああ、ここで盗み聞きしてた職員さんも分かった? ちゃんとユーノの婚約相手を探すために六課に、って件を広めてねー」
「って、リアラ!?頼むから叫ばないで!!というか、婚約相手とか結婚とか、話が飛びすぎてるってば!!」
「あら、そうみたいね。でも、ほら、もうここにいた局員ほとんどいないし?」
今まで食堂で食事を取っていた職員、いつの間にか半減していた。というか、あの一瞬でどうすれば食器を片付けて、なおかつ移動できるのか……噂好きな職員たちの底力を侮ってはいけない。 ユーノは翌日、書庫にすらその噂が流れていることを知って深くそう思うことになるがそれはまず置いておいて。
「まあまあまあまあ♪ 実は私が直接六課にいk…」
「さて、数日後には行かないといけないから準備でも……」
何か絶対に聞いてはいけない言葉を聴いたような気がした、というか絶対に聞いてはいけない言葉に違いない。 無意識の意識という深層の意識からユーノはそれを感じ取ったらしく、さっさと逃げようとした。 ――まあ、聞きたくなかっただけともいえる。
「ああ!行かない!私は行かないから! まったく……とりあえず八神部隊長にはよろしく言っておいて。後、ハラオウン執務官にも。 高町教導官には……そうね、見習いの時期から変わって無いですね、とでも言っておいてくれる?」
「いいけど……なんか、凄く興味深い話なんだけど、それ」
はやてはまだ分かる。 今さっきまでの話で相当意見対立させていたみたいだったから。 だからってフェイトにもよろしく? おまけには教導官見習い時代のなのはと知り合い? というのはユーノだって聞いていない。
「まあまあ、それはいざ六課に転向してから彼女たちに聞いてちょうだい。それじゃあ、よろしく頼んだわよ?」
まったくすっきりした笑顔でユーノは姉に丸め込まれてしまった。 まあ、確かに無限書庫の司書たちは育ってきていて、自分がいなくても通常業務はこなせるだろう。 送られてくる代理にもよるがまず短期間の転向なら何も問題は無いことは分かっているが、なんでこの時期にこうなるか。 ただ、自分としても六課の行方を気にかけていた。それ以上に心配だった。 だからこそ、ユーノはこの申し入れをさして拒否しなかった。 自分の力なんてたいしたことは無いと知っていても、いやだからこそ、少しでも支えられればと思ったから。
とにかく…… 無限書庫司書長、ユーノ・スクライアは翌日、司書長代理としてきた女性に3日ほどで無限書庫の仕事を教え なおかつ、代理の彼女……もとい!彼が有能なことを確認すると、勝手に噂を立てられた……機動六課に転向することになった。 これが、本来進むべきだった歴史からずれ始めた、始まりの序曲であるのは ユーノの姉たるリアラも含めて誰も知らない。 ―― 改訂版、貼り付けっと…… これに応じて、数日後に改定前は封印(消さない)することにします。 最終回まで見るとどうも私の中に「やっぱりユーなのだろ!?」という勢力が現れまして(ぇ 3人混ぜるな危険、の合言葉を元に「ユーなの」なのかもしれないけど、やっぱり三人混ぜるよ俺は!(ぁ とりあえず、個別エピソードではなく、本編エピソードをなぞっていきます。 そっちの方が案が浮かぶことに気づいた(ぉぃ とりあえず、総合Aランク、防御系に関してはAAAランクらしいユーノ君。実はスバルたちよりも強い?w そして、ユーノとリアラがいることで変わる六課の運命とは!? 次回は「機動六課の権力者?」ですw