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2008 03,31 23:51 |
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鍋。
「というわけで、さくr」 「じゃ、帰るわ。俺」
ある日のホームルーム終了後。猪突に目の前に現れた男を華麗に無視した俺。
「うむ。ではちゃんと所定の用意をしておいてくれたまえ。
こいつの話がまず分からん。
「だいたい、杉並。お前が話を持ってきて俺に有益なことがあったか?」 「何を言うかマイ同志桜内。俺たちの仲はそんな利益だけで語るような寂しいなかではあるまい」 「いや、そういう関係含めて、お前と親密な仲なのは御免なんだが」 「あら、じゃあ二人の仲は友情を超える……のかしら?」
始まっても欲しくない話に首を突っ込んできたの雪村杏。
「うむ。それもいいな……次の生徒会会議では俺と桜内の関係一斉報告とでも行こうではないか」 「いいわけないだろ。お前とそんな関係になるぐらいなら俺はこのまま消えた方がマシだ。 「だって、面白そうだったんだもの。首を突っ込むのは常というものでしょ?」
「……っというわけで、桜内には重要な任務があるわけだ」 「だから、俺を無視して話をするな。無視するぐらいならそもそも俺を巻き込むな杉並」 「何を言うか。お前がいなければ面白さ半減。飲み物の入っていないコップだぞ?」
……わが愚妹ではないが、二人を同時に相手するのはかったるいぞ、本当に。
「……で、なにやるんだよ?まずそれからゆっくり話してくれ」 「うむ。のんびりで鈍感でマイペースな桜内のために順を追って説明してやるのも一つだな」
「そうだよぉ~?義之君、私が手間暇かけて持ってきたんだよぉ?ちょっとは私をねぎらってよぉ?」
「だって、義之の思考パターンなんて単純だもの。7割近くの確率でホワイトボードがここにあることを
というか、まだホームルームが終わったばかりなのにいきなりホワイトボードが出てきた上に
と、勢いも強く書き終えた杉並が大きく息を吸って一言。
「……というわけで、わが風見学園には屋上で鍋をする生徒がいた、という噂があるわけだが。
「とりあえず、そのスペシャルなんとやらをするかはどうかは置いておいて、だ」 「スペシャル!NABE!パーティー!だ!桜内ィ!」
何を言われたか知らないが「ふっ、哀れな子羊ねぇ……使われていることも知らずに」という杏の声を聞いてしまったので考える事はやめておくことにしよう。渉、お前の事は忘れない。多分。20%ぐらいの確率で。
「うむ、さすが雪村。この偉大なる行事の意味を理解したか」 「ええ、ばっちりね」
嘘つけ、またお前は主に俺をからかうとか、そういう意味でいるだろうとツッコミをいれたくなるぐらい こいつらが共犯して何かたくらんで平和に終わった試しはない。 ……一瞬、殺気をドコからか感じたが気にしないことにしよう。
「うむ。実は先日、非公式新聞部の過去データを閲覧していると50年ちょっと前にとある姉妹が 「そりゃまた……って、本当にやってたのかよ」
今は秋。寒くないと言えば嘘だが、別に外で何か食事をしていても問題ないかもしれない。
横の茜と小恋も「面白そう」と統一した意見らしい。
「ふっ、話が早いな。今回は鍋なのだよ、同志桜内。そして鍋と言えば……そう!食材だ!」
「えっ?そ、そうだね。茜。でも別にそこまで言うことなのかな?」
毒か、毒じゃないかのレベルなんだ!?」
「ええ、間違いなく、死んだわね」
「ええ、死んでいても屍ぐらいは引き取ってダシにでもしてあげるから安心しなさい」
「なに、悟ったようなこと言っているんですか、兄さん」
空は真っ暗な夜。 俺もあいつらと変わらず、そういうのが大好きな性格らしい。
「私をもう一度怒らせたいのか知りませんが、あまり私を怒らせるといいことないですよ、兄さん?」
「なに独り言を言っているんですか兄さんは。早く行きますよ?」
いや、実際に来ているから否定できないか。
で。
「い、いえ。別に何かでそうと言うよりも
―――って、やべぇ、またこれかよ?! つくづく、ついてないらしい。俺。
「ご、ごめんなさい!兄さん!」 「いや、いいよ。妹のためだと思えば安い怪我さ、あはは……」
「(私に聞かれても困りますよ、兄さん。だいたい、保健委員だからって分かるわけないでしょ)」
「に、兄さん!それは言わないでよ!は、恥ずかしいんだから」
まあ、どうせ杉並と杏辺りが工作しているんだろうな。楽しみのためには労力を惜しまない奴だ。あいつらは。
とにかく、やっとのことで屋上へ続く階段のドアを空けると…… そこは天国と地獄の世界だった。
「ああはははははh!!!まゆきぃぃ!もう一杯!あははあは!!!」
……の割にはその下にはなぜかコタツに鍋、という歪な空間。にしても、なぜコタツ。
「水越先生、知っているんですか?」 「……まあ色々とね。さてと、それじゃあ鍋でも一つ食べようかしら」
元凶が現れた、この状態を作った元凶が。
「おお、生きていたか同志桜内」 「……さすがにここで消えたら、早過ぎるっていう神からの達しか何かのせいでな。半死状態だったよ」
ちなみに半死状態で出会ったその神疑惑消えるのは来年の2月ごろらしい。 そこで、由夢の料理が待っていたらもう神と語り合い尽くせたかもしれないが。
「あら、それじゃあ義之のダシは無理ね。せっかく用意していたのに」
ああ、無視するともさ。問題はこんなことじゃない。
「うむ……ちょっとした誤差だ」 「ええ、誤差よ。まあ気にしなければなんてことはないわ。観測しなければ無いのと同じなのよ」
「まあ、最初は桜内に鍋の番人を頼もうと思ったわけだが」
「桜内は朝倉妹にお持ち帰りされたので、変わりに月島が鍋料理をしていたわけだが
由夢、いくら弁論して、恥ずかしそうに恥じらいを含めて言っても、制裁の文字がすべてをぶち壊してるぞー。
「まったくめでたく無いわ。このバカ」
「はいぃ~水越せんせー、よく分かってますねー!それはOkですー!
「おい、今何が起きたんだ?」 「超高速で投げた調理器具のおたまが板橋にクリティカルヒット。ふっ、あっけない最後だった」 「板橋 渉。夢半ばにておたまにより死亡。彼らしい最後だったわ」
「お、お前らぁ……っていうか、これで俺の出番終わりかよぉ……」 ―――――
「で、問題はこれをどうにかしないと私たちはまともに料理にありつけないことにあるわ。
「た、助けてよ……義之」 「音姫さん怖いぃ……義之君に杏助けてよぉー」 「これは予想外だわ……どうにかしなさいよ弟君」 「にゃはは……まあ、ボクはこれも楽しんだけどね、義之君」
音姉の厳しい目線の中、必死で訴えてくる皆。 ちなみに野郎はすでに伸びているので無視。 ……っていうか、なんで皆揃って俺!?なぜ!?どうして!?What?!
「それはお前が弟君だからだろう、桜内」 「そうね。身内の問題なんだから身内で処理するのが基本よ」
「……おい」 「や、ひ弱な私より男性の兄さんの方が力もありますしやっぱりできるじゃないですか」
第一にひ弱なのは、お前のおばあさんの音夢さんの方でお前は俺を引きずるほどに至って健康体だろうが。
「それが本心か……はあぁ。結局、俺がするしかないのか」
―――――――――
「ああ!アクは悪なんです!とら……あぁ~!弟君発見!」
わけだが!
「(うむ。ノンアルコール飲料だが何か?)」 「(ちなみにノンアルコールだからってアルコールがないわけじゃないの。 「(って、ことはそんな少量のアルコールであれってことか?)」 「(まあ、そういうことみたいね……将来、尻に敷かれないように気をつける事ね)」
俺と杉並と杏は目線で何を語り合っているんだろうか。 杉並風に言えば「サブジェクトにコンタクト」というべきか、あるいは「対象者に接触」か?
「……そ、そうなんだ。と、とにかくそのおたまをまずは置いて」 「えぇぇ~?なんでぇー?お姉ちゃん、弟君のためにがんばって作っていたのに~♪」
「ええ~お姉ちゃんはいつも落ち着いているぞー♪ぐふふ~ふにゃー」
「どれどれ……うん、確かに美味しいですね、このお鍋。お姉ちゃんが作っただけはあります」 「まあ、小恋も音姫さんも料理は抜群だから、当然の帰結よ」 「確かにこのダシは薄味だが利いているな」
音姉の作っていた鍋を突付いている三人……ああ、美味しそうだ。
って、だから抱きつくのはやめて、と言っても酔っ払っている音姉にはまったく効果無し。
「大丈夫だよぉ~♪お姉ちゃんはいつも弟君の味方だもん~♪」
――――――――――
俺もあの後なんとか落ち着かせた音姉を寝かせると何とか食べることには成功して、一息ついたころだった。
「いやいやぁ、それほどでもないよぉー杉並君。 「もちろん、それは極秘ですよ、ははは!!」
まあどっちでもいいけど、あえて言っておこう。
「杏、お前がソレを言うなよ……というか普通、コタツから顔出すか?」 「あら、義之はこの構図はお好きではない?」
「あら、小恋に見つかっちゃったわ。それじゃあさようなら」
「ふふっ♪義之君、楽しい?」 「えっ?それはまあ、楽しいですけど、どうしたんですか、さくらさん?」 「ううん。なんでもないんだ。ただ、楽しいのかなって?」
どれだけ好意的に考えても夏や冬に屋上で鍋、というのは納得が行かない。
「そりゃそうでしょうね」
「あはは……まあ、それもいいですけどね」
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音姫酔ってるけどそれがいい(ぁ
できれば委員長をだs(ry これから囲炉裏路忙しくなるけどがんばってくださいな。 |
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